栄養サポートチーム(NST)
チーム紹介
栄養は治療の基本です。どんなに素晴らしい治療を行っていても、栄養が不十分であれば、その効果は半減します。現在の日本では、入院患者の実に約4割は栄養に問題を抱えていると言われています。
坂出市立病院では、医師だけでなく看護師・薬剤師・管理栄養士・作業療法士・言語聴覚士検査技師など多職種がチームを結成し、患者さんの栄養を守っています。それが、栄養サポートチーム(以下「NST」と言います。)です。
NSTの業務としては、低栄養の患者がいるかどうかをピックアップし、その患者さんに適切な栄養管理がなされているかどうかをチェックします。低栄養状態であれば、栄養計画をNSTのメンバーで話し合って計画し、主治医に対して,適切な栄養管理法を提言しています。院内では院内一般職員向けの勉強会や院外のNSTスタッフを志す皆さんを含めたNSTセミナーも開催しています。栄養に関する各種マニュアルの整備やNSTホームページも院内ランの中に整備しています。院外では、香川労災病院NSTと合同で地域の病院や介護施設の職員対象の勉強会を行ったり、香川県のNST稼動施設が集まって勉強する「香川メタボリッククラブ」やその下部組織の「香川Nの会」にも参加しています。日本静脈経腸栄養学会などの学会にもその成果を報告しています。
坂出市立病院の基本理念である「市民が安心して暮らせ、心の支えとなる病院」と市民の方が思ってもらえるように、坂出市立病院NSTも頑張っています。
チームの軌跡
2001年 7月 | 栄養サポートチーム(NST)立ち上げ |
2003年10月 | COPD(慢性閉塞性肺疾患)食(おやつ追加)を開始 |
2006年 4月 | 栄養管理実施加算開始 |
2010年 1月 | 新COPD食へ変更 |
2011年 5月 | 栄養サポートチーム(NST)加算開始 |
日本静脈経腸栄養学会認定専門療法士取得者
薬剤師:2名 管理栄養士:2名 看護師:3名
活動内容
NSTは、栄養管理レベルの向上に寄与するため、以下の手順により活動を行なう。
1.NST Round(回診)
全病棟週1回、回診する。各病棟メンバーは問題症例をあらかじめ抽出し、回診時に提示し、メンバー内で議論を行ない、主治医に対して、もっとふさわしい栄養管理法を指導・提言する。
(1) 栄養療法の適応基準を1つでも満たしている場合,身体測定施行し食事摂取状況・嗜好調査を実施
(2) NSTカルテ(ハリス・ベネジェクト式)を用い,必要エネルギー量等を算出
(3) 患者が摂取しやすい食事内容に変更、ハーフ食&栄養補助食の提供により、必要エネルギーを確保
(4) 症例ごとに栄養計画書を作成、実行し再評価を行う
(5) 病棟回診にて症例提示にて検討 → 再度,ルート変更。食事変更等調整を施行
2.NSTスタッフミーテイング
月1回、スタッフが集まり、病院における栄養管理の進め方、NSTの運営方法、問題点その他について意見交換をする。
3.病院職員向け栄養管理の勉強会を開催
4.業務(マニュアル)の統一。病院のコスト削減のための器具の見直し
NSTカルテの作成
5.NSTスタッフの知識向上のため、勉強会開催・学会(JSPEN)への参加
6.専門知識向上のため、NST専門療法士の取得
7.中核施設としての役割として、地域との連携に努める(NSTメタボリッククラブ・Nの会へ参加)、必要時経管栄養など含め施設への助言