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特集担当おすすめ本

印刷用ページを表示する更新日:2019年10月11日更新

10・11月特集  『ほんの、一文。』 

 今回は読書の秋にぴったりなおすすめの本の特集を行っています。
 思わず読みたくなるような,本の中の一文を貸出票に書いて展示・貸出を行っています。
 中でもおすすめの本は…
       ほんの、一文。

 『さいはての彼女』<外部リンク>  原田マハ/著 角川書店 です。

 鈴木涼香は,負けん気の強い若手女社長。常に全力で仕事に邁進する彼女の張りのある生活は,年下の彼氏との破局をきっかけに,徐々に息の詰まるものへと変わっていきます。
 しばしの休暇を,と有能な秘書に沖縄へのバカンスの手配を申しつけたのですが,当日案内された飛行機は,なんと沖縄とは真逆の北海道・女満別空港行でした。
 秘書にしてやられた!と憤り,手配されていたボロボロのレンタカーに悪態を付く涼香の前に,ハーレーに乗った少女・凪が現れます。凪は,途方に暮れる涼香をタンデムに誘い,二人はツーリングに繰り出すことに。
 華奢な体でハーレーを操る凪ですが,実は耳が聞こえません。それでもハーレーのエンジン音を体で感じ,見たい景色や,会いたい人を目指して風の中を進む凪。そんな素直でひたむきな凪と一緒に風を感じる内に,凝り固まった涼香の心は不思議と清んでいきます。

「その瞬間,しばらく凪いでいた海辺に,ふっと風が起こった。」
 
 旅の最中。涼香の淀んだ気持ちに新しい風が吹き抜けた瞬間の一文です。
 日々の中で知らずに心に積もった澱。煮詰まった日常を少し忘れて,広い景色を見せてくれるような1冊です。