コロナ禍の頃
2020年、未知のウイルスとして全世界を震撼させた新型コロナウイルス感染症。2023年5月にはインフルエンザと同類の5類感染症へ移行し、それから2年が経とうとしています。そこで今月は、コロナ禍の状況を振り返り、その後の生活について考える本を紹介します。
1冊目は、尾身茂/著『1100日間の葛藤~新型コロナ・パンデミック、専門家たちの記録~』です。
テレビなどのメディアで、本書の著者である尾身茂氏をみたことがあるという方も多いのではないでしょうか?尾身氏は、新型コロナウイルス感染症対策分科会会長として、第一線でコロナウイルスへの対策を検討してきた方です。
専門家と政府の役割分担が不明確で現場が混乱していた中、社会経済と感染対策のバランスをどうとるのか、医療崩壊を避けるためにはどうすればよいのかなど、これまでに経験したことのない危機の中で、感染症の専門家たちが葛藤してきた1100日間がつづられた一冊です。
2冊目は、立岩陽一郎/著『コロナの時代を生きるためのファクトチェック』です。
「ファクトチェック」とは、ある情報について、それが事実かどうかを確認する作業のことです。コロナ禍の当時はあらゆる情報がとびかい、それが正しいのか嘘なのか、決定したことなのかまだ判断できない段階なのかがわからないまま、情報が広がり続けるといった状況が蔓延していました。
本書では、新型コロナウイルスについて拡散されていた情報のひとつひとつを検証しながら、事実かどうかを見極めるための手法や、注意点を紹介しています。
3冊目は、瀬尾まいこ/著『私たちの世代は』です。
小学3年生の時、今までにない感染症が流行し、心晴と冴のふたりは不自由な生活を余儀なくされました。心晴は休校明けに登校するきっかけを失い、そのまま引きこもりに。また冴は、母親の仕事のことでいじめにあい、学校が孤独な場所になっていました。感染症の流行という時代を経験したことをきっかけに、つまずきを感じながらも、こどもたちが大人へと成長していく物語です。
ふたりの成長を読み進めることで、感染症の流行期を振り返りつつ、未来に向けて生きる勇気を与えてくれる小説です。
このほかにも、感染症を題材にした小説や、"新しい生活様式"に関する本などを集めました。本を通して、新型コロナのことを考えてみませんか?
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