掃除をしていたら懐かしい写真が出てきて,つい眺めているうちに時間が経つのを忘れてしまったという経験はありませんか?回想は過去と現在の,そして明日とみらいとをつなぐ時間の縁です。
高齢者にとって,懐しい昔を思い出しながら楽しい時間を過ごすことはとても心地よいことです。
大橋記念図書館では高齢者の認知症予防に役立てるため,心理療法の一つである回想法を取り入れて「思い出語りの会」を行っています。
回想法というのは,アメリカの精神科医ロバート・バトラー氏が30年前に提唱した高齢者に対する心理療法の一つです。
人は,年を重ね高齢に近付くと昔を思い出し懐かしむようになります。彼は,このことを否定的に後ろ向きにとらえるのではなく,肯定的に前向きにとらえて,過去を大いに振り返ろうと回想法を提唱しました。
個人に対して1対1で行う個人回想法とグループで行われるグループ回想法がありますが,大橋記念図書館ではグループ回想法を取り入れた活動を行っています。
1、大活字図書
図書館には大活字図書が約150冊ほどあります。視力が弱い方,視力が落ちてきた人も含め,すべての利用者に提供しています。
2、歴史関係図書
昔を懐かしく回想するきっかけを与えると思われる資料。
3、写真集・ビデオ
風景や民族・風習,遊びなどの写真集やビデオ資料。
4、民俗資料
せんたく板,弁当箱,そろばん,炭火アイロンなど生活用品や作業道具。
5、古い写真
写真パネルが200点以上あります。「今昔写真集」のページでもご覧いただけます。
蚊取り器(左上),カンテラ(右上),鶏の水くれ(右下) 炭火アイロン(右)
図書館では上記写真のような古民具を多数所蔵しており,これらの思い出の道具を使って高齢者に語りかけを行っています。氷で冷やす冷蔵庫やランプなど,昭和の道具を実際に触っていただけます。
また,図書館では坂出今昔写真集を所蔵しています。坂出の今と昔を比べながらも思い出を語ることができます。
図書館で所蔵している思い出の道具や写真は2階学習室「東京五輪の部屋」にも一部展示しています。
実際に思い出語りを体験された方の中には,「表情が明るくなった」,「笑顔が増えた」などの声を頂いています。