路線バスとデマンドタクシーの共創の取り組みについて(王越線の路線再編)
背景と再編の内容
乗務員不足による路線バスの減便・一部区間廃止
新型コロナウイルス感染症拡大期における離職や、2024年問題とよばれる労働基準の厳格化により、バスの乗務員不足が全国的に問題となっています。
この度、中讃地域を運行する路線バス事業者の琴参バス株式会社におきましても、乗務員不足が深刻化し、安定的で持続可能な路線バス運行を継続するためにやむを得ず、令和6年10月1日から路線バスが減便されることとなりました。(琴参バスホームページ<外部リンク>)
王越線の再編
王越線については、平日の通学時間帯などで一定の利用がある一方、平日の日中や土日祝日、青海行きの一部区間において利用者が特に少なく、坂出市地域公共交通計画においても、将来にわたって持続可能な移動手段を確保することが課題となっていました。
この度のバス乗務員不足に伴う路線バスの減便の影響も大きくなるため、バス事業者を中心に地域の関係者と協議し、坂出市地域公共交通活性化協議会においても協議を行った結果、路線バスとデマンドタクシーが連携することにより、地域の移動手段を確保していくこととなりました。
再編の概要
●路線バス王越線(木沢行き)の減便
・平日減便、土日祝日運休となります。
●路線バス王越線(青海行き)の再編・一部区間廃止
・「下所」バス停から「青海」バス停までが、路線バスとしての運行が廃止となります。
・坂出駅を起点に、江尻町、林田町の東梶、ハローズ坂出林田店、米出を経由して、江尻町、坂出駅に戻る「王越線(林田循環)」に再編されます。
●デマンドタクシー(東北エリア)の新設
・路線バスの減便や一部区間廃止の影響が大きい王越・松山・林田の一部エリアにおいて、予約制の乗合タクシーの「デマンドタクシー(東北エリア)」が新たに運行します。
・デマンドタクシー(東北エリア)は、ハローズ坂出林田店において、路線バス王越線(林田循環)と乗り継ぐことで、王越・松山方面と坂出駅方面との行き来も可能となります。
再編によるメリット
路線バスとしての運行は減便や一部区間の廃止となり、デマンドタクシーは利用にあたって事前予約が必要なため、不便な点もありますが、次のような便利な点もあります。
○路線バス沿線のバス停以外にもデマンドタクシー専用の乗降場所が設定されます
・決まった路線を運行する路線バスに対して、デマンドタクシーは区域内を面的に予約があった乗降場所のみを運行するため、路線バスの沿線から離れた集落にも乗降場所を設置可能です。
・令和5年10月に路線バスが廃止された林田町の大洲地区にもデマンドタクシーの乗降場所が設定されます。
○デマンドタクシーは、土日祝日も運行します
・従来の路線バス王越線(青海行き)は土日祝日が運休となっていましたが、デマンドタクシーと王越線(林田循環)は土日祝日も運行します。(年末年始の12/31~1/3は運休)
○買い物利便性が向上します
・デマンドタクシーは、坂出市地域公共交通計画策定時のアンケート調査において、地域の住民のかたの主な買い物先となっていたハローズ坂出林田店へ直接運行します。
・ハローズ坂出林田店の協力を得て、店舗駐車場敷地内で乗降が可能になります。(従来のバス停は道路上にありました。)
共創の取り組み
この度の再編に関する事業は、交通を地域のくらしと一体として捉え、地域の多様な関係者の「共創」によりその維持・活性化に取り組む実証事業として、国土交通省の「共創・MaaS実証プロジェクト」のうち、「共創モデル実証運行事業<外部リンク>」の採択<外部リンク>を受けました。
○プロジェクトの名称
バス乗務員不足に対応する地域交通共創プロジェクト
○共創プラットフォームの名称
バス×乗合タクシー共創プラットフォーム
○共創プラットフォームの構成員と役割
・琴参バス株式会社(実施主体)・・・共創プラットフォームを主導し、再編路線バスを運行
・有限会社大和タクシー(運行主体)・・・デマンドタクシーを運行
・ハローズ坂出林田店・・・バスとデマンドタクシーの乗り換え拠点や、利用者の待合場所を提供
・王越ささえ♥隊・・・地域における広報や利用促進
・坂出市地域公共交通活性化協議会・・・運行計画の協議、地域における合意形成や関係者間の連携促進
上記構成員で連携・共創しながら取り組みを進めていくとともに、効果検証をおこなうことで、地域にとって最適で持続可能な運行体系を目指すものです。