地震津波被害想定第1次(香川県平成25年3月31日公表)
地震・津波被害想定第一次公表(香川県平成25年3月31日公表)
平成25年3月31日香川県地震・津波被害想定調査委員会において,南海トラフ地震および直下型地震による被害想定が公表されました。
香川県地震・津波被害想定第一次公表報告書 [PDF/3.77MB]
被害想定の対象地震
被害想定の対象とする地震は,「海溝型地震」と「直下型地震」です。
このうち,南海トラフを震源とする海溝型地震は地震(揺れ)に加え,津波も対象として被害想定を行っています。
【海溝型地震(南海トラフ地震)】
1.最大クラス:
千年に一度かもっと発生頻度が低いが発生すれば甚大な被害をもたらす地震
2.発生頻度が高い地震:
数十年から百数十年の頻度で発生し,被害をもたらす地震
(東南海・南海2連動型地震 , 東海・東南海・南海3連動型地震 , 宝永地震 , 安政南海地震)
【直下型地震】
3.中央構造線:
香川県の被害想定の対象とする断層は,讃岐山脈南縁から石鎚山脈北縁東部に位置する断層とし,その発生頻度は千年~千六百年に一度となっています。
4.長尾断層:
長尾断層は,讃岐山脈の北縁に位置しさぬき市から高松市香南町に至る断層で,発生頻度は三万年に一度となっています。
震度分布
想定地震が発生した場合の坂出市内で最大となる震度は次のとおりです。
1.南海トラフ地震(最大クラス)
基本ケース | 東側ケース | 西側ケース | 陸側ケース |
6弱 | 6弱 | 6弱 | 6強 |
2.南海トラフ地震(発生頻度が高い地震)
2連動地震 | 3連動地震 | 宝永地震 | 安政南海地震 |
5強 | 5強 | 5弱 | 4 |
3.直下型地震(中央構造線)
ケース1 | ケース2 | ケース3 | ケース4 |
6強 | 6強 | 6弱 | 6弱 |
4.直下型地震(長尾断層)
ケース1 | ケース2 | ケース3 |
5強 | 6弱 | 5強 |
【香川県公表図面】
津波想定
津波想定に利用する用語
用語 | 説明 |
---|---|
津波水位 | 東京湾平均海面(T.P.)と津波により上昇した海面の高さとの差 |
津波波高 | 朔望平均満潮位と津波により上昇した海面の高さとの差 |
浸水深 | 浸水域の水面から地面までの深さ |
東京湾平均海面(T.P) | 東京湾の代表地点における平均潮位の海面の高さ。標高の基準となる。 |
標高(海抜) | 東京湾平均海面(T.P.)からの高さ |
朔望平均満潮位 | 朔(新月)および望(満月)の日前後の,各月の最高満潮面の平均値 |
最高津波水位
津波水位は,朔望満潮位(大潮の時の満潮)に地震による地盤沈下量および津波波高を加えた高さを,標高(東京湾平均海面からの高さ)で表しています。
【香川県公表図面】
浸水予測図
浸水深 | 目安 |
---|---|
5m | 2階建ての建物(あるいは2階部分まで)が,水没する。 |
3m | 木造家屋のほとんどが全壊する。 |
2m | 木造家屋の半数が全壊する。 |
1m | 津波に巻き込まれると死亡する恐れがある。 |
0.3m | 大人のすねまで浸かると,動くことができなくなり津波に流される。 |
津波浸水予測図は,南海トラフにおける最大クラスの地震,発生頻度の高い地震の2種類が発表されました。それぞれの想定条件により浸水想定面積は大きく異なります。
大きな地震,長時間の弱い地震があった場合,大津波警報,津波警報が発表された場合は,最大クラスの津波に備え避難してください。
最大クラスの地震 (H25.3.31県公表) | 発生頻度の高い地震 | 最大クラス | 東南海南海2連動 | |
---|---|---|---|---|
浸水面積 | 1,101ha | 283ha | 810ha | 1,116ha |
想定条件 | 盛土構造物75%沈下 | 堤防等の構造物は, | 堤防等の構造物は, | 水際構造物なし |
【香川県公表図面】
海面変動
瀬戸内海においても,地震による地盤沈下などにより海面変動が発生します。砂浜での海水浴や潮干狩り,磯釣りなど海辺にいる人は,地震が発生した場合は,津波警報などを待たずに,直ちに水際から離れてください。
今回の想定では,人命に影響が発生する海面変動を20cmと設定し,地震発生後に20cmの海面上昇があるまでの時間を公表しています。
地点名 | 影響開始時間 |
---|---|
坂出港(中央ふ頭地区) | 13分 |
坂出港(林田地区) | 16分 |
坂出港(番の州地区) | 28分 |
御供所漁港 | 13分 |
与島港 | 20分 |
櫃石漁港 | 15分 |
【香川県公表図面】
液状化
地震の揺れによる液状化の危険度をABCDの4ランクにわけて公表しています。地震は揺れにより液状化が発生すると,道路のマンホールが突き出たり,建物と道路の間の段差,砂や水などが噴出します。液状化による被害も考慮し,地震の揺れがおさまったら避難を開始しましょう。
家を新築する時など液状化に関する調査や対策が必要になるかどうかを判断する目安として公表しています。建築設計会社との打ち合わせに活用してください。
南海トラフ地震(最大クラス地震)
南海トラフ地震(発生頻度の高い地震)
中央構造線による地震
長尾断層の地震
【香川県公表図面】