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第3次坂出市行財政改革大綱

印刷用ページを表示する更新日:2003年12月25日更新

※掲載内容は平成15年のものです。現在の大綱は第4次坂出市行財政改革大綱をご覧ください。


はじめに

 坂出市では、平成3年から独自に行財政改革に取り組み、坂出市行財政改革大綱を策定し、積極的にその推進に取り組み,一定の成果を得ているところである。
 しかし、現下の非常に厳しい財政状況の中、行財政運営を改めて全面的に見直し、効率的な経営が行われるよう、また,それによって新たな財源を生み出せるよう、今一度、真剣に取り組んでいかなければならない。
 また、先に策定した第2次坂出市行財政改革大綱の推進期間が、平成15年12月をもって終了することを契機に、中・長期的な見通しに立ち、必要な改革事項の再検討を行い、大綱の見直しを実施し、行政として取り組むべき指針を明らかにするため、ここに新たに、第3次坂出市行財政改革大綱を策定するものである。

1.基本的な考え方

 分権型社会の到来、少子高齢化の急速な進行、高度情報化の進展、長引く景気の低迷など、本市を取り巻く社会経済情勢は依然として厳しい状況下にある。
 このような中、これまで本市も含め、各地方公共団体の行財政運営は、コスト意識が低く、市民から預かった税金を、適切にしかも無駄なく効率よく使う、ということがややもすればおろそかになっていた。
 これからは、それぞれの事業や仕事ごとにどれくらいのコストがかかっているかを算定するなど、常にコスト意識を持ち、直営に比べてよりコストの低い民間委託等を導入し、コストの高いシステムから、よりコストの低いシステムに切り換えることによって、新たな財源が生み出され、より充実した市民サービスの提供が可能になる。
 同じ行財政運営を行うのに、少しでも低いコストでできるようにすることが極めて重要かつ緊要である。
 「大きな仕事をするための小さな市役所」の達成を目指し、経費の縮減に留意しながら、職員自らの的確な判断と創意工夫により、市民サービスを低下させることなく、「最少の経費で最大の効果」をあげるよう、より一層、効率的な行財政運営に努めるものとする。
 そして、行財政改革の推進にあたっては、このような視点と共通認識を全職員が持ち、市議会並びに市民の理解と協力を得る中で、鋭意取り組んでいくことが何よりも大切である。

2.具体的な取り組み

第1 事務事業の見直し

 市民サービスの向上と新たな行政課題や社会経済情勢に的確に対応するためには、スクラップ・アンド・ビルドの原則に基づき、絶えず事務事業の見直しを行わなければならない。そのため、限られた財源の中で、重要度・緊急度の高いものを取捨選択し、効率的な事業の実施を図り、事務の簡素・効率化に努め、特に次の項目について取り組む。
(1) 職員の意識改革と人材育成
 職員は、市民の立場に立った市政を行うため、その職務が総合的なまちづくりにどのように係わっているのか,市民とどのように係わっているのかを常に認識した上で、「市民の立場に立って考える」という職員意識の徹底を図る。また、地方分権の進展に伴い、個性的でかつ特性のあるまちづくりの推進が重要となってくるため、職員一人ひとりの政策形成能力、問題解決能力、市民との応対能力等の向上を図る。
(2) 事務及び事業の整理合理化
 各課の業務内容を再点検し、スクラップ・アンド・ビルドの基本方針に立ち、絶えず不要不急事務を見直す。また、意思決定の迅速化、責任の明確化を図る観点から職務権限の見直しを行う。
(3) 申請事務
 許認可等申請事務手続きについては、行政の公正さの確保から、引き続き、行政手続制度の適正な運用を図るとともに、各種申請書の押印廃止・省略範囲の拡大、オンライン化等により、市民サービス面の向上を図る。
(4) 情報公開と行政の透明性
 市民参加の開かれた行政の推進と、行政の透明性の向上を図るため、更なる行政情報の公開・提供を推進する。
(5) 審議会等の附属機関
 審議会等の附属機関については、その設置目的、その在り方や開催状況を点検し、廃止・統合等の整理合理化を図る。また、委員等の選出にあたっては幅広く人材を求めるとともに、構成人員の削減にも努力する。

第2 財政の健全化

 財政の健全化に向けての方策については、これまで行財政改革の重要課題として順次取り組んできたところである。
 近年の地方財政は、わが国経済の厳しい状況を反映して、地方税収入や地方交付税の原資となる国税収入の低迷、累次の景気対策のための公共事業の追加に加え、減税の実施などにより、大幅な財源不足が続くとともに、公債費の増大などにより財政の硬直化が進んでいる。一方では、地方分権の推進や、社会保障制度の見直し、少子高齢化対策など重要政策課題に対処するため必要な財政需要が増大している。このように国、地方ともに非常に厳しい財政状況の中で、国庫補助負担金の削減、地方交付税の見直し、税源移譲を含む税源配分の在り方の三位一体の改革が進められようとしている。
 本市においても、歳入面の大きな柱である市税が、長引く景気低迷や恒久減税等により大幅な減収となり、地方交付税についても、その動向が極めて不透明な状況である。
 一方、歳出面では、経常収支比率が高率で推移し依然として財政が硬直している中で、土地開発公社経営健全化計画の実施、電子自治体への対応、公共施設の大規模改修等の推進、定年退職者の増加に伴う退職手当の累増、更には市立病院や下水道事業等の累積赤字の解消など多くの財政問題が山積している。
 このような状況下で、現在の危機的な財政状況を打破し、本市の将来への展望を切り開くためには、これまで以上に様々な政策課題について職員一人ひとりが自覚と責任を持ち、財政の健全化に積極的に取り組む必要がある。
 今後の取り組みとしては、全職員自らがコスト意識を再認識して、「最少の経費で最大の効果」を基本理念に、職員数の削減、民間等への業務委託などにより弾力性のある健全な財政を構築していくことが肝要である。
 特に、1から7の事項については、重点項目として、実施に向けて、最大限努力する。(1)小・中学校給食の調理部門の民間委託については、まず、平成16年度に1小学校を実施し、順次、計画的に民間委託を実施していく。
(2)幼稚園における技能員業務については、数園の幼稚園において、その業務を外部委託しているが、平成15年度末及び16年度末の小・中学校での技能員の退職に伴い、幼稚園から技能員を異動し、幼稚園の技能員業務については外部委託を完全実施する。小・中学校においても、同様に外部委託を実施していく。
(3)幼稚園教育をさらに充実発展させるため、旧市内5幼稚園を1幼稚園に統廃合する。
(4)現在、中学校に配置されている市費の学校事務職員については、平成16年度以降、配置の見直しを実施する。
(5)保育所給食の調理部門の民間委託については、まず、平成17年度に1保育所を実施し、順次、計画的に民間委託を実施していく。
(6)養護老人ホーム「長生園」については、民設民営化の方針の下、できるだけ早い時期に民間へ移管する。
(7)ごみ及びし尿収集業務の民間委託にあたっては、業務体制の見直し、受け皿及び法律等の研究をしていく中で、実施可能な年度から、計画的に民間委託を実施していく。
(8)保育所運営については、公設民営化等の調査・研究を行う。
(9)公の施設の管理については、サービス面及びコスト面で民間が優れた分野について、行政責任の確保、適正なサービス水準の維持、柔軟な運営の確保に留意しながら、民間委託等により、コスト削減並びに行政サービスの効率化を図る。
(10)小学校及び中学校については、少子化現象等の問題もあり、適正な施設数を調査・研究し、可能な施設についての統廃合を検討する。
(11)市税等については、課税客体・課税標準等の的確な把握に努めるとともに、悪質な滞納者については、着実な滞納整理の実施により厳正なる税負担の公平確保に努める。
(12)使用料及び手数料等については、対象事業の見直しを図りつつ、住民負担の公平確保の観点と受益者負担の原則に立脚し、その適正化に努める。
(13)負担金補助及び交付金については、行政の責任分野、経費負担の在り方、行政効果等を精査の上、関係者の理解を得ながら整理合理化に努める。
(14)投資的経費については、極めて厳しい財政状況の下にあるが、市民生活に密着した社会資本の整備、更には、市民福祉の充実、教育文化の向上等に配慮し、重点的に実施する。

企業会計について 企業会計の基本理念である独立採算性に基づき、より効率的経営の推進や健全化に努める。
 市立病院については、「市民が安心して暮らせ、心の支えとなる病院に」の基本理念の下、地域の中核病院としての役割を担うため、高度医療機器の導入をはじめ診療体制の充実を図り、医療の質を高め、高齢化社会を視野に入れた細やかな患者サービスを行うなど、病院事業全般についての更なる健全化に努める。
 また、給食業務の民間委託等の自助努力をする中で、今や全国自治体病院中、常に上位にランクされるまで医業収支の改善が図られ、その成果が全国的にも高く評価されている。しかし、いまだ多くの累積赤字を抱えている現状から、更に自助努力による黒字基調の維持に努めるとともに、一般会計からの支援も含め累積赤字の早期解消を図り、病院経営健全化のより一層の推進を図る。
 水道事業については、「市民の視点に立った水道」を基本理念に、水道事業の使命である安全な水道水を安定的かつ低廉に供給するため、今後、より一層の経営基盤の強化及び業務の効率化に努める。特に、平成14年4月1日の水道法の改正により、第三者委託としての技術的業務の包括的委託が制度化され、浄水場の運転管理、水質管理及び給水装置等の管理の民間委託が可能となったことから、今後、これらの業務について、委託又は職員の嘱託化等の検討を行う。また、計画的な老朽管布設替えによる有収率の向上並びに自主財源比率の向上に努める。

特別会計について 下水道事業特別会計については、施設整備に長い年月と多額の経費を要し、使用料収入だけで賄うことができないことから、普及率の向上、使用料の改定、一般会計からの支援などにより、累積赤字の解消に努める。特に、全国平均と比較して著しく低い普及率の向上には、投資効果のある地域への計画的な働きかけを行う。
 港湾整備特別会計については、多額の累積赤字を抱えており、造成地の売却を積極的に取り組み、早期の経営健全化に努める。
 葬祭事業特別会計については、長年多くの市民が利用し、市民サービスの向上に努めてきたが、近年、市内には複数の民間事業者が営業しており、年間の葬祭件数の6割を超える状況となっている。このようなことから、市営葬祭の特別会計は赤字経営に陥っており、今後の市営葬祭の在り方について検討を行う。

土地開発公社について 土地開発公社の運営については、土地開発公社経営健全化計画の実施により、平成15年度までに既利用地のすべてを一般会計で買い戻しを行うとともに、未利用地についても利用計画の定まっているものについては、平成17年度までに特別会計で買い戻しを行う。更には、利子負担の軽減を図るため、一般会計からの資金貸付や借り入れ利率の適正化等を引き続き行い健全化に努める。

第3 組織機構の再編整備

 組織機構の再編整備は、行政体制・基盤の最も基本的な構造及びその運用に係るものであり、行政の効率性と質の高度化を図り、「大きな仕事をするための小さな市役所」を目標に、社会経済情勢の変化や多様な行政需要に的確に対応した組織機構の構築が重要である。
 そのため、これまでにも市民に分かりやすい組織機構への再編、保健・福祉の連携などを進め、新しい行政課題に対応するため、組織機構の見直しを行ってきた。
 今後の組織機構の再編整備については、引き続き社会構造の変化、市民の行政ニーズ等を勘案する中で、行政機構のスリム化や新しい行政課題への対応を図っていく。

(1)行政機構のスリム化
 組織機構の再編にあたっては、既存の組織についても従来の在り方にとらわれることなく、スクラップ・アンド・ビルドの徹底が必要であり、部課の統廃合並びに内部組織及び出先機関の統廃合等、簡素・合理化を推進する。

(2)新しい行政課題への対応
 少子高齢化・情報化など社会情勢の変化に対応し、新たな行政課題や市民の多様なニーズに即応した施策を総合的・機能的に展開できるよう組織機構を再構築していく。特に、本格的な高齢化社会に対応できる福祉、保健、医療に関する諸施策を総合的に推進する体制など、常に見直しを行う。

 

第4 定員管理,給与の適正化

1 定員管理について

 本市においては、財政の硬直化を解消するため、平成3年から独自に行財政改革に取り組み、職員数の適正化については、普通会計において150名削減を目標に、「減員補充」にて、逐次職員数の削減に努めてきたところである。その結果、平成3年度より2分の1の減員補充にて取り組んできた定員適正化計画は、目標の平成16年度を待たずして、平成15年4月1日現在において160名の削減が達成され、この削減に伴う節減金額の合計は平成15年度で46億7、900万円が見込まれている。
 今後の定員管理については、行政管理の近代化、効率化をより一層推進するとともに、平成15年度から行政サービスの民間への移管及び民間委託等の手法により、更なる削減の職員数を目標にした中・長期的定員管理計画を策定し、職員定数を見直すとともに、適正なる職員数まで削減することを基本方針とする。
 また、併せて、将来的に職員構成が不均衡にならないような勧奨退職制度や、多様な人材確保のため中途採用の活用についても検討を行う。
 中・長期的定員管理計画においては、特に次の施策を積極的に推進し、職員数の適正化に努める。また、人材養成については、職員の階層や担当業務に応じた各種の計画的な研修及び業務を通じてのトレーニングを実施し、各部署において一層複雑多様化する行政需要に柔軟かつ総合的に対応できるエキスパートの育成に努める。

(1) 現業部門については、民間委託等の推進や退職者不補充の手法により、職員数を削減していく。
(2) 職員の部署を越えた横断的な応援態勢の確立により、行政需要に的確に対応するとともに、新規行政需要及び新規施策等については、原則として現職員数の再配置により対応するなど、後年度の総職員数に影響を及ぼさないようにする。
(3) 総職員の活用については、少数精鋭主義として、職員の能力、専門知識、職歴等を配慮した適正な職員配置を行い、職員一人ひとりの高い士気、高度な能力の涵養等、プロの行政マンとしての職員研修等を推進するとともに、職員の登用については、男女平等の観点から行う。

2 給与について

 本市の給与については、国家公務員の取り扱いに準じつつ、香川県、近隣市町の動向を見守りながら、その適正化に努めてきたところである。
 給料については、国と比較する一つの指標であるラスパイレス指数の動きを追ってみると、昭和61年4月1日現在105.2から順次下げ始めて、平成14年4月1日現在99.8となっており、ほぼ人事院勧告制度による国家公務員並みとなっている。
 また、平成15年度より一般職員及び現業員についてこれまで行政職給料表の7級にわたっていたものを6級までの昇格へと運用方法を変更した。
 今後においては、退職手当等の諸手当についても見直しを実施する。
なお、時間外勤務手当は、平成14年度、一般会計実績において、過去最高であった平成6年度の約44.5%となっているが、今後とも、引き続き効果的な人事配置や職員の健康管理にも十分配意し、振替制度等の積極的活用などにより極力その削減に努める。


第5 情報化の推進

 本市が魅力ある地方公共団体として、よりよい市民サービスの向上を図るために、情報化は必要不可欠かつ極めて有効な手段であり、高度情報通信社会において、市民がIT技術の恩恵を最大限に受けるためには、電子自治体の構築が必要であり、以下の事項に留意しつつ、平成14年3月に策定した坂出市情報化推進基本計画に基づいて、計画的に情報化施策に取り組んでいく。

(1) 内部業務の情報化
 業務の情報化にあたっては、現在の事務処理全般について徹底した見直しと改善を行うとともに、費用対効果を充分に検討した上で、情報化の効果を最大限に引き出せる新しい事務手順を再構築し、内部事務の効率化、迅速化及び市民サービスの向上を図る。
(2) 地域の情報化
 地域の情報化においては、情報通信基盤の整備を推進するとともに、インターネットなどの情報通信基盤を活用した行政情報の提供、申請・届出などのオンライン化、安心してネットワークを利用するための電子認証基盤の整備を進める。
(3) 情報処理の形態
 情報処理の形態については、委託処理のみではなく、情報通信機器の技術革新によりネットワークを活用した様々な処理形態が可能となっていることから、サービス品質、経費、運用面、セキュリティ面などを検討し、業務内容に応じた最適な処理形態にて情報化を行う。
(4) 職員の資質向上
 電子情報を紙情報と同等に取り扱うことができる電子自治体の事務を遂行するため、職員の情報処理能力・情報活用能力の向上を図る。
(5) 情報セキュリティ対策と個人情報保護
 情報化を推進するにあたり個人情報の保護は最重要課題であり、「坂出市電子計算組織の利用に係る個人情報の保護に関する条例」等を見直すとともに、プライバシー保護についての職員研修を行うなど、高度情報通信社会に対応した情報セキュリティ対策を講じる。

3.行財政改革の推進管理

 行財政改革を実効あるものとするためには、大綱に基づく推進課題の具体的実施事項については、原則として3年を目途として推進するものとし、「坂出市行財政改革実施計画」を策定し、計画的かつ段階的に実施するものとする。なお,実施計画は、ローリング方式により毎年見直しを行うものである。
 また、行財政改革の推進状況等については、市民で構成する坂出市行財政問題懇談会に報告を行い、併せて市広報紙等により市民に公表するものとする。