金時にんじん
生産量は日本一、”縁起物”の京野菜
金時にんじん(別名:京にんじん)は、京野菜のうちの一つであり、一般に流通のある西洋にんじんに比べて、見た目が紅いのが特徴です。
坂出市は、金時にんじんの生産量、栽培面積ともに日本一を誇っています。
金時にんじんはその縁起の良い見た目から、正月料理や京料理に欠かせない食材として、「京にんじん」の名前が広く認知されている京阪地域を中心に、年末年始の売り場を彩っています。
金時にんじん DATA
目次 / contents
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味 / taste
金時にんじんは西洋にんじんに比べて、肉質が軟らかくて甘みが強く、にんじん臭さが少ないのが特徴です。
加えて、柔らかい肉質に対して煮崩れしにくいという特徴があることから、煮物に向いていると言われています。
また、香川県の郷土料理であるあんもち雑煮にとっては、金時にんじんは欠かせない食材であり、家族円満の願いを込めて輪切りにして使用されます。
あんもち雑煮は、白みそベースの汁にあんもちを入れた雑煮です。
雑煮に使う白みそは、坂出ゆかりの人物である崇徳上皇が由来で香川県に伝わったとされています。
旬 / season
11月から3月頃までが出荷時期であり、年末年始に合わせた12月中下旬頃に、出荷の最盛期を迎えます。
歴史 / history
金時にんじんは、京野菜の一つである「京にんじん」として京阪神を中心に知られており、大阪では江戸時代から昭和初期にかけて市内で多く生産されていました。
坂出市における金時にんじんの栽培は、昭和8年から始まったとされます。
昭和30年頃、京阪神の生産量が産地の都市化により減退傾向となると、坂出市ではより多くの生産量を確保するべく、金時にんじんの品種改良と栽培面積の拡大に着手するようになりました。
そして「坂出1号」、「坂出2号」と品種改良を繰り返し、あわせて栽培面積も塩田跡地の活用や畑に砂を入れる「客土」を行うことで拡大し、現在は優良系統である「坂出7号」の栽培が、市内約60ha(令和4年時点)において行われています。