話題:坂出港港湾保安訓練2010
坂出港林田埠頭において港湾保安訓練を実施しました。
平成23年2月15日,坂出港林田A号岸壁および前面海域において,平成22年度坂出港テロ対策総合訓練を実施しました。 この訓練は,2001年9月11日の米国同時多発テロを契機として,「海上における人命の安全のための国際条約(SOLAS条約)」が改正され,国際組織犯罪に対処する目的で,港湾施設における保安体制を強化するため平成16年度から実施しているものです。
坂出港は,番の州地区に電気・石油・LNG・コークスガス,林田地区にLPGと各種のエネルギー基地が集積し,四国のエネルギー拠点となっています。また,四国に直接輸入される麦は,すべて中央埠頭・林田埠頭で輸入しており,四国の食糧の輸入拠点となっています
これらの、四国の住民生活に不可欠なエネルギーや食糧を支える坂出港で,国際組織犯罪を未然に防ぎ,もし発生した場合においても早期解決ができるように,関係機関の連携・対応等を確認することで,対応能力を向上させることを目的としています。
訓練内容
訓練は,接岸予定のない船舶から不審者が上陸し、警備員に発砲・負傷させ小型船で逃走するという想定で実施しました。
緊急事案発生
接岸予定の無い船舶(不審船)から上陸してきた不審者が発砲し,岸壁の警備員Aを負傷させ,不審船で逃走しました。
緊急通報・情報伝達
警備員Bは消防署,警察,港湾管理者である坂出市に緊急通報を実施,通報を受けた坂出市は,坂出港保安委員会の各委員に対し,埠頭および船舶の警戒強化の実施,ならびに現地への出動要請を行いました。
負傷者応急処置・搬送
坂出市消防署から救急車が出動し,救急救命士が負傷した警備員の圧迫止血処理を実施し,救急車で病院へ搬送しました。
港湾作業員の避難誘導・規制区域の閉鎖
現場付近で作業する港湾関係者の安全確保のため,坂出警察署により避難誘導を実施しました。
あわせて,危険防止措置および現場保存のための規制線を設定し,出入口ゲートを閉鎖しました。
上空および海上からの不審船捜索
第六管区海上保安本部広島航空基地所属のヘリコプターが出動し,上空から不審船を捜索。不審船を発見したヘリコプターは巡視艇に連絡します。
不審船制圧
坂出海上保安署所属の巡視艇から不審船へ停船命令を発令しますが,逃走を続ける不審船から発砲がありました。
これに対し巡視艇の正当防衛射撃等により,不審船を停船させ,不審船に移乗した保安署職員が不審者2名の身柄を確保しました。
不審船船内捜索
不審船を接岸させ,坂出海上保安署および坂出税関支署によって,不審船の船内捜索を行いました。
陸上逃走者の制圧
船内に隠れていた不審者1名が陸上に逃走しましたが,陸上で監視警戒を行っていた坂出警察署の警察官により,逮捕されました。
入国審査
高松入国管理局による不審船の乗組員の上陸審査を実施したところ,船員手帳の偽装が判明したため,乗組員の身柄を確保し坂出海上保安署への護送を行いました。
爆発物処理
X線検査装置により,不審者が投棄した手荷物が爆発物であることが判明したため,防護服を着た香川県警機動隊爆発物処理班の爆発物処理要員が,爆発物処理車へ格納し,処理場まで緊急搬送を実施しました。