ジフテリア・百日せき・破傷風三種混合予防接種
ジフテリア・百日せき・破傷風(DPT)三種混合
ジフテリア・百日せき・破傷風(DPT)三種混合予防接種はジフテリア,百日せき,破傷風を予防する予防接種です。
確実な免疫をつくるのには決められたとおりに受けることが大切ですが,万一間隔があいてしまっても初めからやり直すことはせず,規定の回数を超えないように接種します。2歳未満の百日せき患者が約半数を占めているのでなるべく早期に接種しましょう。百日せきにかかったお子様は,けんこう課までご連絡ください。
接種回数
1期初回 20日以上,標準的には56日までの間隔で3回接種します。
1期追加 1期初回終了後1年経過した後に,1回接種します。
接種期間
1期初回 生後3月から生後90月に至るまでの間にあるお子様
1期追加 1期初回終了後12月に達した時から18月に達するまでの期間
(1期初回 3回接種~1期初回 追加接種まで受けて完了となります。)
対象者
生後3月から生後90月に至るまでの間にあるお子様
ジフテリア
ジフテリア菌の飛沫感染で起こります。
1981年にDPTワクチンが導入され,現在では患者発生数は年間0~1名程度ですが,ジフテリアは感染しても10%程度の人が症状が出るだけで残りの人は症状が出ないため保菌者となり,その人を通じて感染することもあります。
感染は主に咽頭ですが鼻にも感染します。症状は高熱,のどの痛み,犬吠様の咳,嘔吐などで,偽膜を形成して窒息死することがある恐ろしい病気です。発病2~3週間後には菌の出す毒素によって心筋障がいや神経麻痺をおこすことがありますので注意が必要です。
百日せき
百日せき菌の飛沫感染で起こります。
1948年から百日せきワクチンの接種がはじまって以来,患者数は減少してきています。
百日せきは普通のカゼのような症状ではじまります。続いてせきがひどくなり,顔をまっ赤にして連続性にせき込むようになります。せきのあと急に息を吸い込むので笛を吹くような音が出ます。熱は出ません。乳幼児はせきで呼吸ができず,くちびるが青くなったり(チアノーゼ)やけいれんが起きることがあります。肺炎や脳症などの重い合併症をおこします。乳児では命を落とすこともあります。
破傷風
破傷風菌はヒトからヒトへ感染するのではなく,土の中にひそんでいる菌が傷口からヒトへ感染します。
傷口から菌が入り体の中で増えると菌の出す毒素のために口が開かなくなったり,けいれんを起こしたり,死亡することもあります。患者の半数は自分では気がつかない程度の軽い傷が原因です。
副反応
1981年に百日せきワクチンが改良されて以来,日本のワクチンは副反応の少ないワクチンになっています。
現在の副反応は注射部位の発赤,腫脹,硬結(しこり)などの局所反応が主です。頻度に程度の差はありますが,初回接種1回目の後7日までに約12.7%,追加接種の後7日までに約40.0%です。
なお,硬結(しこり)は少しずつ小さくなりますが,数か月残ることがあります。特に過敏な子で肘をこえて上腕全体が腫れた例が少数あります。通常高熱は出ませんが,24時間以内に37.5℃以上になった子が約0.4%あります。機嫌が悪くなったり,腫れが目立つときなどは医師に相談してください。