「生成AIを活用した対話型コマースによる高齢者買い物支援」の実証実験
実証実験に係る連携協定締結
令和5年10月5日、坂出市と、GMOメイクショップ株式会社、KBN株式会社、坂出商工会議所は、王越地区を対象として、日常的な買い物に不便を感じている高齢者世帯に向けて、「生成AIを活用した対話型コマース」による高齢者の買い物支援の実証実験を行うため、連携協定を締結しました。
高齢化社会が進展する中、1人暮らしの高齢者や高齢者夫婦のみの世帯の増加に伴い、在宅生活を送るうえで、支援を必要とする高齢者が増加することが予想されます。こうした高齢者のニーズに対応するため、公的支援に加え、様々な主体によるサービスの充実化が必要となってまいります。本市としましては、ボランティアや民間団体、企業等の多様な事業主体による重層的な生活支援サービスを発掘するとともに、元気な高齢者の社会参加の促進、さらには生活支援等のサービスの担い手にもなっていただけるような取組を推進していくことが重要だと考えております。
今回、実施いたします王越地区における実証実験は、民間事業者が主体となり、生成AIという最先端技術を活用して高齢者の買い物の支援を行うものとなっており、本市といたしましても、実証実験の成果を、今後の高齢者の在宅生活を支える環境づくり施策に生かしていきたいと考えております。
また、認知症予防には、人との会話や交流が重要と言われております。今回の買い物支援事業は、AIとの会話を楽しみながら買い物ができるというものですので、認知症予防の効果を期待しております。本市も実証実験の中で認知機能に係る簡易なテストを実施し、認知症予防の普及啓発に取り組んでいきたいと考えております。
実証実験について
実施期間
令和5年11月1日から令和6年1月31日まで(ただし、令和6年2月28日まで延長することがあります。)
実施場所
坂出市王越町(10世帯程度を予定)
各団体の取組
GMOメイクショップ株式会社、KBN株式会社
実証実験の実施主体として、高齢者買い物支援サービスの導入、運用、利用促進活動および利用者負担金の徴収を行う。
商工会議所
地域事業者に対し、実証実験の広報と本サービスに基づく販売事業者としての登録の推奨を行う。
坂出市
実証実験の調整と、認知機能に簡易なテスト等を行う。
買い物支援の概要
1 タブレット端末に話しかけ、AIがおすすめする日常生活に必要な食材などの商品を注文する。
2 タブレット端末を通じて、注文内容が市内食料品店に通知される。
3 市内食料品店が市内タクシー会社に配達を依頼する。
4 タクシー会社が、ご自宅に商品を配達する。
実験の結果
参加事業者
連携協定を締結(令和5年10月)
・GMOメイクショップ株式会社
・KBN株式会社
・坂出商工会議所
・坂出市
その他の事業者
・有限会社浪越食料品店(商品の販売)
・有限会社大和タクシー(配達)
対象地域
王越地区
実施時期
令和5年11月から令和6年1月まで
参加者
王越地区の16世帯のかた
うち、11世帯が実際に買い物支援を利用
利用状況
・期間中の買い物回数 延べ48回
・購入総額 42,563円
・購入回数の平均 4.36回
・購入金額の平均 3,869円
〇実験後のアンケート結果
生成AIの使い勝手
「会話もスムーズで使いやすかった」 16.7%
「会話がうまくいかないときもあったが、それなりに使えた」 50%
⇒概ね生成AIを使うことができたような状況でした。
AIとの会話は楽しめましたか
「楽しめた」 18.2%
「楽しめなかった」 54.5%
⇒会話については、改善が必要であることが分かりました。
商品について
「品数が少ない」というご意見が多くありました。
本サービス化に向けて
「本サービス化して欲しい」 70%
⇒改善点はあるものの、好評を得た結果となっている。
本市の所感
高齢化社会が進展する中、1人暮らしの高齢者や高齢者夫婦のみの世帯の増加に伴い、在宅生活を送るうえで、支援を必要とする高齢者が増加することが予想されます。こうした高齢者のニーズに対応するため、公的支援に加え、自費による利用を含めた様々な主体によるサービスの充実化が必要となってまいります。
本市といたしましては、ボランティアや民間団体、企業等の多様な事業主体による重層的な生活支援サービスを発掘するとともに、元気な高齢者の社会参加の促進、さらには生活支援等のサービスの担い手にもなっていただけるような取組を推進していくことが重要だと考えておりますので、今回の実証実験は非常に意義深いものでありました。
さらに、生成AIという最先端技術の活用は、地域のDX化の推進に大きな期待が持てるものとなりました。
備考
本市は、実証実験の中で、認知機能に係る簡易なテストを16世帯のかたに実施し、認知症予防の普及啓発に取り組みました。さらに、宅配ボックスを参加者に配布し、温室効果ガス排出量の削減の普及啓発にも取り組みました。