あなたの聞こえは大丈夫?
最近、「聞こえにくいな」と感じたり、「聞こえている?」と周囲に言われたりしたことはありませんか?
もしかすると、ヒアリングフレイル=聞き取る機能の衰えが原因かもしれません。
65歳をこえると、聞こえづらさを感じる人が急激に増え、75歳以上の約半数の方が聞こえづらさを感じています。さらに、70代男性の5~6人に1人、女性の10人に1人程度が、日常的生活に支障をきたすような難聴に悩んでいます。
聞こえづらさ(難聴)を放っておくと…
電話やドアのチャイムの音など、生活に必要な音が聞こえず、社会生活に影響を及ぼします。また、近づいてくる車やバイクの音に気付かないなど、危険を察知する能力が低下します。さらに、家族や友人とのコミュニケーションがうまくいかず、自信を失ったり、社会的にも孤立し、うつ状態や認知症になるリスクが高まることもあります。
加齢性難聴の特徴
加齢性の難聴は徐々に進行するため、本人の自覚がない場合があります。また、小さな音や高い音から聞こえづらさが始まり、聞き間違いや聞き直しが増えたり、テレビの音量が大きくなったりします。進行すると、大きな声であっても内容が聞き取れない、逆に声が大きすぎると聞き取れない、早口や雑音下での会話が聞き取りづらい、音源の場所が分からないといった症状も生じます。
聞こえづらさは加齢以外の原因も!
聞こえづらい原因は、年齢以外にも、耳あかや中耳炎などのこともあり、これらは治療で聞こえがよくなる可能性があります。聞こえがよくなる方法があるか、耳鼻咽喉科で耳の中を診察してもらうことが大切です。
「聞こえ」をセルフチェックしてみよう!
加齢性難聴は「小さな音が聞こえにくく」「言葉がはっきり聞き取りにくく」なります。
1つでも当てはまるかたは、「ヒアリングフレイル(聞き取る機能の衰え)」の可能性があるため、耳鼻咽喉科へ早めに受診することをお勧めします。
|
1.会話をしているときに聞き返すことがよくある |
|
2.集会や会議など数人での会話がうまく聞き取れない |
|
3.聞き間違いが多い |
|
4.話し声が大きいと言われる |
|
5.相手の言ったことを推測で判断することがある |
|
6.うしろから呼びかけられると気づかないことがある |
|
7.車の接近にまったく気づかないことがある |
|
8.テレビやラジオの音量が大きいとよく言われる |
|
9.電子レンジの音やドアのチャイムの音が聞こえにくい |
※出典:一般社団法人日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 リーフレット「聞こえづらい?と感じたら、放置しないでください!」より転載
耳鼻咽喉科を受診し、聞こえについて相談しよう!
「耳が聞こえにくいのは年齢のせい」と決めつけず、まずは、お近くの耳鼻咽喉科を受診し、相談をしましょう。詳しい聴力検査をし、難聴の程度や補聴器が必要かを診断してもらうことができます。
必要に応じて補聴器を装用し、聴力を維持することで、他者とのコミュニケーションが取りやすくなり、日常生活が過ごしやすくなるという効果が期待できます。また、脳への刺激が維持・向上し、脳の働きが活発になることで、認知症を予防する効果も期待できます。
補聴器の装用を始めた場合は、定期的な耳鼻咽喉科への受診や、言語聴覚士、認定補聴器技能者などによって補聴器が正しく装用されているか確認を受けることも大切です。
★補聴器を正しく使えるようになるには、適合や練習が必要です。
★定期的な耳鼻咽喉科への受診も忘れずにしましょう。
→近くの耳鼻咽喉科専門医を探しましょう!:一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会<外部リンク>
ヒアリングフレイルの予防と対策
ヒアリングフレイル(特に加齢性難聴)は老化現象の一種なので、誰にでも起こりうることです。一方で、進行を遅らせたり、加齢以外の原因を避けるという意味での予防は十分に可能です。
できることから一つずつ今日から取り入れてみましょう。
1.耳にやさしい生活を心がける
・大音量でテレビを見たり、音楽を聴いたりしない
・騒音など、大きな音が常時出ている場所を避ける
2.老化を遅らせ難聴を予防するために生活習慣を見直す
・生活習慣病の管理
・栄養のバランスのとれた食事
・適度な運動
・規則正しい睡眠
・禁煙
普及啓発リーフレット「あなたの聞こえは大丈夫?」
「あなたの聞こえは大丈夫?」 [PDFファイル/681KB]
参考
【難聴に関する詳しい情報】
一般社団法人日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会難聴啓発プロジェクト 難聴啓発プロジェクト(一般の方用)<外部リンク>
※参考資料 一般社団法人日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 リーフレット「聞こえづらい?と感じたら、放置しないでください!」
厚生労働省 難聴高齢者の早期発見・早期介入等に向けた関係者の連携に関する手引き【第1版】

