ぶんぶんレポ「製塩土器で塩を作ってみた!」をレポート!
製塩土器で塩を作ってみた!
みなさんは沙弥島で土器や石器が出土する事をご存じでしょうか?
特に古墳時代前期~後期(四~七世紀)にかけての製塩土器は数多く、貴重な窯址も見つかっているなど、古代に製塩を行っていた事をうかがわせます。そこで、古代の方がどのように塩を作っていたのか体験出来るように香川県埋蔵文化財センターが主催で講座を実施すると聞き、参加させていただいたのでその模様をレポートします。
会場は沙弥島にある旧沙弥小中学校です。
まずはじめは塩に関する説明をした後、実際に古代の人が塩を作ったように体験する講座が始まりました。
最初に参加者の方が海水を汲みに行きます。
下の画像で赤褐色の色の器が製塩土器になります。こちらの土器に塩分濃度が約3%の海水と約19%のかん水を入れ、沸騰させ土器に残った塩の量を比較する実験をします。
やり方はコンロのようなものの上に土器を置き、そこに枯葉や木材を入れていき、火をつけて実験します。
製塩土器は土器の表面が薄くないと火が伝わりにくいため、表面が薄い土器が多いです。
しかし、表面が薄すぎると火であぶっている間に土器の表面が焦げて土器自体が割れてしまう事もあります。
そういった事に気をつけながら火をあぶって行きます。
火をあぶって時間が経過すると土器自体が焦げて黒くなります。
この画像が塩が出来た土器です。
火で燃やしたため土器自体が脆くなっており、塩も土器にこびりついている状態になっています。そのため、古代の製塩土器は使い捨てのものが多かったそうです。
以上のように、古代の人々は塩を作るために土器を作り、土器を火であぶり、時間と手間をかけて塩を作っていた事がうかがえます。現在のように塩が簡単に手に入る環境を考えると歴史を感じますね。
※注意!
今回の実験は、「坂出市沙弥島ナカンダ浜等を守る条例」で禁止されている区域の外で、火気を使用しています。
ナカンダ浜(駐車場より北の広場から砂浜までの)では、火気の使用は禁止されていますので、花火やバーベキュー、たき火などは、行わないでください。
また、ナカンダ浜は重要な遺跡であるため、無断で発掘等を行わないで下さい。