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市長発言
施政方針
市長交際費

施政方針

印刷用ページを表示する更新日:2019年3月5日更新
 坂出市議会平成31年3月定例会の開会にあたり,新年度予算ならびに諸議案のご審議をお願い申し上げるのに先立ち,新年度における施策の大綱と私の所信の一端を申し述べ,議員各位ならびに市民の皆様のなお一層のご理解とご協力をお願い申し上げる次第であります。
 
 平成の時代も,残すところ約2か月となりました。本年度は瀬戸大橋開通30周年という節目の年でございましたが,振り返りますと,昭和63年4月10日,世紀の大事業である瀬戸大橋が開通し,私を含め多くの市民の皆様が,本市の未来に大きな夢と希望を抱きながら,新しい平成の時代を迎えました。その後,明石海峡大橋と瀬戸内しまなみ海道の開通による瀬戸内三橋時代が到来し,四国と本州の間における人と物の流れは,確実に増大してまいりました。
 他方,我が国では,バブル経済の崩壊と,その後のいわゆる「失われた20年」,また,リーマンショックに端を発した世界規模の経済不況を経て,近年,景気は緩やかな回復基調にあると言われておりますが,膨らみ続ける国の借金や不安定な国際情勢等を背景に,今後の景気動向につきましては,依然として不安要素が払拭できない状況にあります。さらに,我が国全体が本格的な人口減少・少子高齢社会を迎える中,多くの地方自治体は,社会経済情勢の変化や時代の潮流に翻弄されながら,人口減少や財政難など様々な課題に直面しており,本市もその例外ではありません。
 人口の自然動態につきましては,多くの地方自治体と同様,少子化の進行に伴う大幅な自然減が続いており,財政状況につきましても,急速な高齢化を背景とする医療・介護給付などの社会保障費の増加等により,年々厳しさを増しております。一方,人口の社会動態につきましては,転出超過になかなか歯止めがかからない状況ではございますが,平成の30年間を俯瞰いたしますと,社会減の人数は緩やかな減少傾向にあり,これからがまさに正念場であると認識いたしているところでございます。
 社会経済情勢が目まぐるしく変化し,依然として予断を許さない状況が続く中,これまでの延長線上にはない不確実な未来に対し,常に最適の解を見出すのは容易なことではございませんが,人口減少の克服と地域活力の向上,そして,本市の持続的な発展に向け,引き続き全力を傾注してまいる所存でございます。

 本格的な人口減少・少子高齢社会の到来に伴い,将来的な人口減少が避けられず,また,例年になく厳しい財政状況の中にあって,財政規律を堅持しつつ,地域活力の向上と持続可能なまちづくりを両立させるには,総合的なまちづくりの視点に立った,効率的で効果的な財源の重点配分が必要不可欠となってまいります。
 これらの課題を踏まえ,今月には,長期的な展望に立ったまちづくりの将来像を定めるとともに,その実現に向けた都市計画に関する基本的な方針となる「坂出市都市計画マスタープラン」と,コンパクトシティ・プラス・ネットワークの実現に向けたまちづくりの指針となる「坂出市立地適正化計画」を策定いたしますほか,新年度においては,坂出港の競争力の向上を図るとともに,利用しやすい港づくりの推進に向けた「坂出ニューポートプラン」を新たに策定してまいります。
 交通結節点としての拠点性や重要港湾坂出港を有する優位性など,本市が有する様々な潜在能力を生かしつつ,地域活力の向上と持続可能なまちづくりの両立に向けた,主にハード面における,これら3つの計画の具現化に向け,今後,計画的・効率的な事業展開を図ってまいります。

 ソフト面における事業展開といたしましては,超長寿社会の到来,人生100年時代を見据え,市民の皆様が健やかに幸せに暮らせるまちの実現を目指し,昨年度に発足した坂出ささえまろネットワークのさらなる深化や,健康遊具の設置,ラジオ体操普及・健康増進事業など,様々な医療・介護・健康関連事業の連携を図る「健幸のまちづくり」に取り組んでいるところであります。
 本年度は,けんこう課に健幸推進係を設置するとともに,私自身が本部長を務める健幸のまちづくり推進本部に加え,外部有識者等で構成する健幸のまちづくり推進協議会を新たに設置するなど,「健幸のまちづくり」の本格的な推進に向け,組織横断的な推進体制を整えたところであり,まさに「健幸のまちづくり元年」とも言える年でございました。
 新年度は,総合型地域スポーツクラブ「みんなでスポーツさかいで」との共働による健幸マップの作成,ライオン株式会社との共働による「キレイキレイのまち坂出」第2期プロジェクトにおけるオーラルヘルスケアの推進に加え,保健・医療・福祉の専門家に健幸アドバイザー業務を委託し,助言や支援を受けながら,「健幸のまちづくり」の取組をさらに進展させ,いつまでも住み続けたいまちの実現に取り組んでまいります。

 また,平成の時代は,加速度的に少子化が進行し,子どもを取り巻く環境が劇的に変化した時代でもありましたが,いつの時代においても,子どもたちは,守り育てられるべきかけがえのない存在であり,子どもたちの健やかな成長は地域全体の願いでもあります。時代の流れとともに子育て世代のニーズも大きく変わりますが,私たちは未来を担う子どもたちの最善の利益のために,子ども・子育て支援施策に取り組んでまいらなければなりません。
 近年は,市立幼稚園の園児数の減少が進む一方,保育所の入所児童数は増加傾向にあり,本年10月に予定されている幼児教育・保育の無償化が実施されますと,この傾向に一層の拍車が掛かり,待機児童の発生や入所児童の偏在など,様々な課題の顕在化が危惧される状況となっております。
 このような現状を踏まえ,坂出市就学前の子どもの教育・保育のあり方検討委員会におきまして,現在,市立の就学前施設の規模や配置をはじめとする教育・保育のあり方について議論を重ねているところであり,本年度末に予定しております検討委員会からの答申を受け,新年度の早い時期に,施設の将来に向けた方向性を定めてまいります。合わせて,新年度より,多様化する子育て世代のニーズに的確に対応していくため,幼稚園に関する主な事務を教育委員会からこども課へ移行するとともに,こども課を児童福祉係・保育幼稚園係・子育て支援係の3係体制に再編・整備することで,就学前児童に関する相談等の窓口を一元化し,保護者の皆様や関係事業者の利便性向上ならびに施策の立案・展開および幼児教育の充実を図り,子育てしたいまちの実現に取り組んでまいります。

 一方,我が国の経済情勢に目を転じますと,景気は緩やかな回復基調にあると言われておりますが,全国各地にまで波及しているとは言い難く,雇用・所得環境の改善等に伴う企業の人手不足感とも相まって,多くの市民,特に中小企業・小規模企業の皆様は,景気回復の実感を得られていないのではないかと思われます。
 本市の中小企業・小規模企業は,本市経済を牽引し,地域社会の形成や維持に寄与している重要な存在であります。その持続的な成長発展と経営の安定に向け,本年度に制定いたしました坂出市中小企業・小規模企業振興基本条例の具現化を図るには,坂出商工会議所との連携がより一層重要となることを踏まえ,これまで以上に連携を密にしながら研究・検討を行い,創業・起業支援や空き店舗等の利活用促進,さらには,人口減少が進むとともに働き方改革が叫ばれる中,企業のニーズに即した外国人材の活用など,各種施策の展開につなげてまいります。

 また,昨年は,一年の世相を表す漢字に「災」が選ばれましたように,全国各地で大きな自然災害が相次ぎ,本市におきましても,平成30年7月豪雨により住宅被害や土砂崩れなど大きな被害が発生したことは,記憶に新しいところでございます。
 近年は,情報通信技術(ICT)等の発達に伴い,第四次産業革命と言われるような,社会に革新的な変化をもたらす新たな技術の普及が急速に進んでいることを踏まえ,安全で安心なまちづくりのさらなる推進に向け,香川大学創造工学部と共働して,被害を最小限に抑えるとともに,災害対策本部を円滑に運営するためのシステム構築など,ICTや人工知能(AI)を活用した防災・減災対策の取組を検討してまいります。さらに,災害発生時には,部署を超えた全庁的な対応が必要となることを踏まえ,新年度より,外部の専門家による防災・危機管理のスペシャリスト養成プログラムを実施するとともに,全職員を対象とした防災・危機管理の教育システムを構築し,有事の際の対応力を高めてまいります。

 来月26日に開幕する瀬戸内国際芸術祭2019につきましては,会場となる沙弥島の自治会をはじめ,市民団体,企業,行政で組織する瀬戸内国際芸術祭坂出市実行委員会を中心に,アーティストと市民との共働による作品の制作,与島地区ならではの食の提供,次代を担う子どもたちによるお接待,会場での交通案内や清掃活動など,市民共働による様々な取組を通して,地域の魅力を生かした芸術祭を創り上げてまいります。
 さらに,芸術祭の県内連携事業といたしまして,本市独自に瀬居町において神戸芸術工科大学アートプロジェクト2019を併催し,さらなるにぎわいの創出を図るとともに,地域の活性化と交流人口の拡大につなげてまいります。

 以上のような認識と決意に基づき,市民の皆様の期待と信頼に応えるべく,6つの基本目標の実現に向け,全力を傾注してまいります。
 基本目標の推進にあたり編成いたしました新年度予算は,例年になく厳しい財政状況の中,事業の選択と集中による財源のより一層の重点配分に努め,安全で安心なまちづくりを推進するとともに,市民の皆様が健やかに幸せに暮らせる「健幸のまちづくり」のさらなる進展に向け,一般会計で,249億3,350万円計上いたしました。
一方,特別会計では,149億1,353万8千円,企業会計としては,病院事業会計で,65億2,161万8千円計上いたしました。

 以下,その主な施策の大綱について申し述べます。


 第1の目標は, ~ すべての人がいきいきと輝くまちづくり ~ 【自立・信頼】
であります。

 その第1点は, 市民参加によるまちづくりであります。
 「市民本位」「市民参加」「市民対話」,そして「市民共働」による市政運営を推進している本市にとりまして,市民の皆様が自主的・主体的にまちづくりに参加していただくことは,本市のさらなる発展のために必要不可欠であり,本格的な人口減少・少子高齢社会を迎える中,持続可能なまちづくりを目指していくためには,地域コミュニティの活性化に向けた市民間の議論を活発化させ,地域住民が主体となり,中長期的に継続した形で地域コミュニティづくりに取り組んでいかなければならないと認識いたしております。一方で,地域コミュニティづくりについては,行政主導で進めるべきではないと考えており,出前市役所等の取組の深化を進め,地域の皆様と様々な分野において意見交換を行いながら,地域コミュニティの在り方について議論を進めることで,「さらなる市民参加・市民共働」を推進してまいります。
 こうした中,住民の大半が加入し,市民と行政との橋渡し役として中心的な役割を担っております自治会は,まさに地域コミュニティの基礎となる組織であることから,引き続き自治会運営補助金等の財政的支援を行ってまいります。また,東部地区における地域活動の拠点施設である東部集会所については,未設置となっていた調理設備の設置に向け,実施設計を行ってまいります。
 
 第2点は, 多様な連携の推進であります。
 本市では,坂出市民生児童委員協議会連合会ならびに市内郵便局,JA香川県および各新聞販売事業者と,高齢者等の見守り活動に関する協定を締結し,事業者の方が訪問時等に異変を発見した場合は速やかに通報を受け,迅速な対応につなげるなど,住み慣れた地域で安心して生活することができる環境づくりに努めております。本年1月には,この活動の趣旨に賛同いただいた香川ヤクルト販売株式会社および生活協同組合コープかがわと新たに協定を締結し,さらなる取組の充実を図っているところであります。
 多様化・複雑化する行政需要に的確に対応していくためにも,引き続き,多様な主体との連携を図り,本市の活性化および各種課題の解決に向けた取組を推進してまいります。

 第3点は, 行財政運営の効率化と健全財政の確保であります。
 先に申し述べました,こども課の3係体制への再編・整備に加えまして,国において社会福祉法人の指導監査業務に係る事務負担の軽減が図られたことに伴い,小規模係を解消する観点から,ふくし課内の指導監査係の所掌事務を管理係に移管し,5係から4係に再編いたします。組織機構に完成形というものはなく,今後とも国・県の動向や市民ニーズの把握に努めながら,不断に見直しを図ってまいります。
 また,職員の長時間労働の是正や年次有給休暇取得の促進など,働き方改革を推進し,職員のワーク・ライフ・バランスと意欲の向上を図りながら,ICTの活用をはじめとして,あらゆる業務改革に取り組むことにより,適正な定員管理を維持しつつ,安定して良質な行政サービスの提供に努めてまいります。

 第4点は, 男女共同参画社会の形成であります。
 本市では,「男女がともに認め合い,輝き,ともに創るまち」を基本理念とした坂出市男女共同参画計画に基づき,男女共同参画社会の実現に向け,様々な取組を推進しております。引き続き,だれもがライフステージに応じてワーク・ライフ・バランスが図られ,充実した職業生活,社会生活,家庭生活を送ることができる,働きやすい環境づくりを推進してまいります。
 また,男女共同参画社会の実現に向けましては,各分野の皆様と行政が共働した取組が不可欠であることを踏まえ,家庭,学校,職場,地域等あらゆる場において,男女共同参画に関する正しい理解が広がるよう,坂出市男女共同参画委員会や関係機関と連携し,普及啓発に努めてまいります。


 第2の目標は, ~ 安全で環境に優しく持続可能なまちづくり ~ 【安全・環境】
であります。

 その第1点は, 防災体制の強化・充実であります。
 発生が危惧される南海トラフ巨大地震,また,台風や集中豪雨による水害や土砂災害等に備え,引き続き危機管理体制の強化に重点を置き,職員の防災訓練を継続して実施するとともに,避難時における食料や生活必需品等の備蓄物資の拡充のほか,避難所運営資機材の整備を進めるなど,避難所機能の充実に努めてまいります。
 また,地震等によるブロック塀の倒壊を未然に防ぎ,市民の皆様の命を守るため,国や県の動向を踏まえつつ,新たに民間危険ブロック塀撤去支援事業を開始し,災害に強い安全で安心なまちづくりの促進を図ってまいります。
 市役所新庁舎については,来年5月の完成および移転に向け,新年度より免震装置の設置,躯体の建築に着手することといたしており,いよいよ建物本体が姿を現します。免震構造の採用やユニバーサルデザインの徹底等により,新庁舎建設の基本理念である「安全・安心で市民と環境にやさしい庁舎」としてまいります。
 地域防災力の向上については,市民一人ひとりの防災意識を高める「自助・共助」の浸透が重要であることを踏まえ,防災講話や訓練等の実施に加え,広報誌・インターネット・ラジオ等各種媒体を活用し,地域における防災意識の向上に努めてまいります。また,自主防災組織の強化を図るため,活動費や資機材等購入費に対する補助を継続するとともに,リーダーの育成や防災士資格取得者に対するフォローアップを目的とした研修を実施するなど,地域防災の能力・態勢を醸成してまいります。
 港湾施設については,引き続き東運河地区における護岸整備を着実に進め,津波による被害の軽減・防止に努めるとともに,坂出港事業継続計画(坂出港BCP)の実効性向上に向け,港湾利用関係各機関と連携した情報伝達訓練等を実施し,災害発生時における連絡系統の統一や情報の共有化を図ってまいります。
 水門およびポンプ場については,洪水時に対応できるよう補修および更新を実施するとともに,河川においても浚渫業務等を実施し,引き続き適正な維持管理に努めてまいります。
 ため池については,平成30年7月豪雨において,防災重点ため池に選定されていない小規模なため池で甚大な被害が発生したことを踏まえ,国において選定基準の見直し等が行われました。本市におきましても,新たな基準に基づき適切な対応を講じるとともに,周辺住民の安全な避難行動に資するため,氾濫解析を行い,浸水想定区域図を新たに作成・公表いたします。併せて,王越町玉川池地区において堤体補強を,大屋冨町松ヶ浦池地区および青海町六ツ林池地区において改修等を実施し,災害の未然防止を図ってまいります。
 学校施設については,金山小学校南校舎,瀬居小学校校舎,松山小学校南校舎西の非構造部材の耐震化工事等を引き続き実施し,安全で安心な教育環境の整備に努めてまいります。
 また,多種多様化する各種災害に対応するため,消防本部配備の水槽付き消防ポンプ自動車,ならびに消防団配備の小型動力ポンプ積載車および小型動力ポンプを更新し,消防力の充実・強化を図り,市民の皆様の安全・安心を確保してまいります。

 第2点は, 環境保全と環境衛生の充実であります。
 坂出市環境基本条例の基本理念である「快適な環境の保全と創造」の具体化に向け,引き続き,坂出市環境基本計画に基づく各種施策を展開するとともに,本市のごみ処理サイクルの基幹施設であるリサイクルプラザおよび坂出環境センターについては,施設の延命化工事を実施し,適切な維持管理に努めてまいります。

 第3点は, 交通安全の推進であります。
 全国で通学中の児童が巻き込まれる交通事故が相次ぐ中,本市では,通学路交通安全プログラムに基づき,計画的に通学路の総点検を実施するとともに,交差点や路側帯部分のライン標示のカラー化を推進し,交通事故の防止を図っているところであります。
 新年度は,林田小学校の通学路について総点検を実施するほか,各小学校からの要望も踏まえ,緊急度等を勘案した上でカラー化を実施するなど,通学路の交通安全確保に向け,引き続き,路面標示,カーブミラー,道路照明灯および防護柵など,交通安全施設の整備・充実を図ってまいります。


 第3の目標は, ~ 健康で安心して暮らせるまちづくり ~ 【安心・健康】
であります。

 その第1点は, 保健・医療の推進であります。
 本市では,健康寿命の延伸と生活の質の向上を図るため,第2次坂出市健康増進計画および食育推進計画に基づき,様々な施策を実施しております。新年度におきましては,本年度に実施したアンケート調査や関係機関へのヒアリング調査の結果等を踏まえ,現状に応じた計画に改訂し,さらなる取組の充実を図るとともに,新たに自殺対策計画を策定し,生きることの包括的な支援として,関連施策との有機的な連携を図りつつ,総合的な事業展開を推進してまいります。
 また,新年度は,第三次坂出市地域福祉計画の初年度となります。第一次,第二次計画に引き続き「お互いに,支え合い,ふれあいのあるまち」を基本理念としつつ,自助・互助の重要性に鑑み,すべての地域住民が役割を持って,地域の課題解決に主体的に取り組む社会を目指してまいります。さらに,支援の対象と担い手を高齢者に限ることなく,障がい者や子ども,子育て世代へと広げ,「みんなで助け合うあたたかい地域共生社会の実現」を目指し,市民の皆様や関係団体,事業者,行政がそれぞれの役割を担いながら,連携・共働のもと,各種事業を推進してまいります。
 国民健康保険事業については,本年度より県が財政運営等の責任主体となっておりますが,医療費の増加等による国保財政の悪化に伴い,県より提示された新年度の国保事業費納付金が増額となりました。新年度は,市民の皆様の急激な負担増は避けるべきとの判断から,保険税率を据え置きといたしましたが,今後は,医療給付費が年々増大する中にあって,将来にわたり安定的な運営が確保できるよう,適切な保険税率の設定について検討を進めてまいります。
 次に市立病院についてであります。
 新年度より,地方公営企業法の全部適用を導入し,経営責任の明確化と自律性の拡大による効率的かつ効果的な運営体制を確立するとともに,引き続き坂出市立病院改革プランに掲げる経営指標を目標に定め,事業管理者をはじめ全職員が一丸となって「チーム医療」を推進し,質の高い充実した医療の提供を図ってまいります。地域の中核病院として救急医療,急性期医療に対応するとともに,へき地医療,災害医療に加え,感染症医療については新たに第二種感染症指定医療機関として対応するなど,公立病院としての役割を担ってまいります。
 また,「健幸のまちづくり」のさらなる進展に向け,認定看護師等の医療スタッフによる出前講座の開催,地域活動への参加,イベントにおける救護等の支援を通じ,市民の皆様の生命と安全・安心を守るとともに,市民の皆様が健やかに幸せに暮らせるよう努めてまいります。
 
 第2点は, 介護・高齢者福祉の充実であります。
 国においては,医療・介護・生活支援等が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築について,2025年を目途に実現するとしておりますが,本市ではこれまで,認知症の早期診断や早期対応の体制づくりを中心とした認知症施策に加え,判断能力が十分でない高齢者等がひとりの人間として尊重され,安心した生活ができるよう支援する権利擁護事業など,他の自治体に先駆けた事業展開を進めてまいりました。
 今後は,医療と介護の両方を必要とする高齢者が自分らしい暮らしを続けることができるよう,在宅医療と介護を一体的に提供するため,医療機関と介護事業所等の連携を強化するなど,住まいを中心に,医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される,本市の実情に応じた地域包括ケアシステムの深化・推進に努めるとともに,第1層協議体「坂出ささえまろネットワーク」と連携しながら,市内12地区において第2層協議体の設置を引き続き推進し,多様な日常生活上の支援体制の充実・強化を図ってまいります。

 第3点は, 児童福祉・子育て世代への支援の充実であります。
 少子化の進行や核家族化,共働き世帯の増加等を背景とする社会環境や家庭環境の変化とともに,子育て世代のニーズが多様化する中,本市の子育て支援施策を定めた「さかいで 子ども・子育て支援プラン」は,新年度が計画期間の最終年度となります。これまでの成果と現状を踏まえ,すべての子どもの健やかな育ちに資するよう,中長期的な視点に立った第二期計画を策定してまいります。さらに,新たな取組といたしまして,乳幼児を連れた保護者の方が安心して外出を楽しめる環境を整備するため,授乳スペース等を設置する市内の店舗や事務所等に対して補助を実施するとともに,大橋記念図書館,市立体育館等の公共施設についても,授乳スペース等の整備に努めてまいります。
 また,近年,大きく報道されておりますように,増加の一途を辿る児童虐待については,未然防止や発生時の適切な対応,その後の支援に至るまで,児童相談所・市・警察・学校・民生児童委員等の役割分担を明確にし,緊密な連携を図りながら的確に取り組んでまいります。特に,初期対応の遅れから重大な結果を招くことがないよう,通告を受けた事案に対して迅速に対応するとともに,警察をはじめとする関係機関との情報共有の徹底を図るなど,さらなる連携強化に努めてまいります。
 仲よし教室およびみのり教室については,昼間就労等により保護者が家庭にいない小学5年生までの児童を受け入れておりましたが,新年度より全ての学年に対象を広げ,保護者の皆様の仕事と子育ての両立を支援してまいります。

 第4点は, 障がい者(児)福祉の充実であります。
 坂出市障がい者福祉計画および第5期坂出市障がい福祉計画に基づき,引き続き,障がい者福祉施策を総合的かつ計画的に推進するとともに,「住み慣れた地域で共に豊かに安心してすごせるまち さかいで」の基本理念に沿い,障がいの有無にかかわらず,誰もが人格と個性を尊重し合う共生社会の実現を目指してまいります。

 第5点は, 人権尊重社会の構築であります。
 人権は「人の命」そのものであると同時に,「人間が人間らしく幸せに生きる権利」であり,社会の根幹をなすものであります。近年は,部落差別解消推進法,障がい者差別解消法,ヘイトスピーチ解消法の施行など,課題解決に向けた人権擁護の取組が着実に進展する一方,同和問題をはじめ,インターネット上での人権侵害やヘイトスピーチの横行など,様々な課題が依然として存在し,深刻な社会問題となっております。
 本市では,坂出市人権尊重のまちづくり条例に基づき,すべての人の人権が尊重される社会の実現に向け鋭意取り組んでおりますが,今後,人権教育・啓発の果たす役割はさらに重要になるとの認識に立ち,人権尊重意識の普及が図られるよう,引き続き人権教育・啓発を積極的に推進するとともに,企業における人権に関する取組の支援に加え,法務局や人権擁護委員との連携のもと,人権相談業務の充実に努めてまいります。
 また,本年度に実施した人権に関する市民意識調査の結果を分析し,効果的な啓発につなげていくとともに,すべての行政施策の根底に人権が関わっていることを認識する中で,市民一人ひとりの人権が平等に尊重されるまちづくりを推進してまいります。

 第4の目標は, ~ 未来を拓く力をはぐくむまちづくり ~ 【教育・文化】
であります。

 その第1点は, 幼児期・学校教育の充実であります。
 「未来を拓く力をはぐくむ人づくり」を基本理念に,確かな学力,豊かな心,健やかでたくましい体を育成することを柱とした「生きる力をはぐくむ教育の充実」,また,夢に向かって挑戦するチャレンジ精神と「ふるさと坂出」を誇りに思う心をはぐくんでいくことを目標として,子どもたちにとって魅力ある学校,地域・保護者から信頼される学校づくりを積極的に推進してまいります。
 コミュニティ・スクール設置事業については,これまで研究指定校を設け,導入に向けた環境整備を行ってまいりましたが,新年度は,さらなる導入の拡大を目指し,学校と地域の連携・協働による「地域とともにある学校づくり」を推進してまいります。
 さかいでスクールサポートティーチャー派遣事業については,学校が抱える緊急の課題等に対応するため,引き続き,高い指導力のある優れた退職教員を派遣することにより,問題の未然防止や早期解決につながる効果的な支援を行ってまいります。
 小児生活習慣病対策事業については,自分の健康状態を知り,より良い生活習慣を身につけることを目的に,小学4年生の希望者を対象に血液検査を実施しておりますが,新年度より中学1年生を対象に加え,数年が経過した後の実態把握につなげることで,子どもたちが将来にわたって健康な生活を送ることができるよう支援してまいります。
 ふるさと理解推進事業については,地域における社会生活の総合的な理解に資するよう,小学3・4年生用の社会科副読本「ふるさと坂出」の全面改訂を行い,子どもたちの地域社会の一員としての自覚を促し,地域社会に対する誇りと愛情をはぐくんでまいります。
 教育用コンピュータ整備事業については,小学校に配備されている学習者用コンピュータを,タブレットとしても使用できる可動式コンピュータに置き換えるとともに,学習者用サーバーの更新を実施するなど,小学校におけるICT環境を整備し,児童の学習活動の充実と学習意欲の向上を図ってまいります。
 学校給食については,多くの調理施設で老朽化が進んでいることを踏まえ,本年度,民間事業者を活用して効率的かつ効果的に共同調理場を整備・運営する事業手法の検討調査を行ったところでございまして,新年度は,この調査報告をもとに事業者選定に着手してまいります。
 学校施設については,築年数30年以上の建物が大半を占め,老朽化対策が喫緊の課題となっていることを踏まえ,安全かつ機能的な整備の着実な推進に向け,新年度より学校施設長寿命化計画の策定に着手するとともに,府中小学校の西校舎および屋内運動場ならびに瀬居小学校の校舎および屋内運動場において,老朽化したトイレの改修整備を実施するなど,引き続き学習環境の整備に努めてまいります。

 第2点は, 生涯学習・スポーツの充実であります。
 生涯スポーツ社会の実現を目指し,「いつでも,どこでも,だれもが,いつまでも」健康で心豊かな生活が営めるよう,スポーツに親しめる機会の確保と環境の整備を行い,地域に根ざした体力づくりと健康づくりに努め,「健幸のまちづくり」のさらなる進展につなげてまいります。
 ラジオ体操普及・健康増進事業については,ラジオ体操広場を新たに開設するなど,引き続き普及に向けた取組を推進し,市民の皆様の健康増進および地域コミュニティの活性化を図ってまいります。
 「カヌーのまち さかいで推進事業」については,国内有数の競技・練習環境が評価され,府中湖カヌー競技場において,東京オリンピック・パラリンピックにおけるハンガリーカヌーチームの事前合宿と,2020年の全国高等学校総合体育大会におけるカヌー競技の実施が決定いたしました。これらを契機といたしまして,競技人口の拡大と競技力の向上を図るとともに,引き続き,県と共にトレーニング施設の整備や競技場全般の改修を進めてまいります。
 王越宿泊型野外活動施設「交流の里 おうごし」については,既存の事業に加え,豊かな自然を生かした魅力ある体験メニュー作りを進め,さらなる市民共働による地域活性化・にぎわい創出を推進してまいります。また,2年目を迎える「王越とんぼプロジェクト」では,昨年,地元の方々と共に水路を整備した際,香川県絶滅危惧種のトンボが確認されるなど,王越とんぼランドの復活に向けた明るい兆しが見えてまいりました。引き続き,地元の方々と連携・協力しながら,とんぼランドの水路および遊歩道の整備を行うとともに,自然観察等のイベントを開催するなど,王越地区の魅力発信に努めてまいります。
 大橋記念図書館については,市民の皆様の多様なニーズに迅速かつ的確に対応できるよう,情報提供機能の充実を図るとともに,課題解決に役立つ図書や地域に関する記録,その他必要な資料を幅広く収集し,地域の情報拠点として,市民の皆様の暮らしに役立つ図書館づくりに努めてまいります。また,図書館周辺は,市民美術館,郷土資料館,勤労福祉センター等の文教施設が集中することから,老朽化した駐輪場の撤去・新設,進入路の拡幅や歩道の舗装等を実施し,施設利用者の利便性向上に努めてまいります。

 第3点は, 文化の継承と創造であります。
 「古のロマンのまち さかいで」のさらなる進展に向け,地域の文化振興の資源となる歴史遺産や文化財の保護と活用に努めるとともに,文化芸術施設である市民美術館,万葉会館などを活用して,特色ある地域文化・芸術の創造を図ってまいります。
 市民の皆様が良質で親しみやすい芸術・文化に接することで,地域文化の振興が図れるよう,引き続き,演劇プチ大学,音楽コンサート,人形浄瑠璃公演等を開催してまいります。市民美術館においては,かつて「塩のまち」として栄えた本市の歴史を踏まえ,また,本市出身のアーティスト南条嘉毅氏の作品が瀬戸内国際芸術祭2019沙弥島会場で展示されることを契機として,市民の皆様が芸術・文化をより身近に感じていただけるよう,塩業資料館と連携した南条氏の企画展を実施いたします。
 讃岐国府跡の史跡指定に向けた取組については,引き続き遺物整理事業および発掘調査事業を継続するとともに,新年度は,開法寺の伽藍北端の大型礎石建物に関する報告書を刊行し,讃岐国府跡の重要地区の一つとして意見具申を進めてまいります。
 市史編さん事業については,郷土に関する有形・無形の歴史資料を整理・保存することにより,永く後世に継承するとともに,市民の皆様の郷土に対する理解と関心を深めるため,平成24年度より,市制施行70周年記念事業として取り組んでいるところであり,新年度は,市史編さん事業の集大成といたしまして,市民の皆様からも待望久しい通史編(地誌・生物編,近代編,現代編)を刊行いたします。
 次に市民ホールについてであります。
 老朽化や非構造部材の耐震性等の課題から,利用者の安全面等を考慮した結果,現在の市民ホールについては,今月末をもって休館することといたしております。一方,旧市立病院跡地における市民ホール等の機能を中核とした複合施設の整備についても,例年になく厳しい財政状況の中,財源の確保をはじめとする種々の課題から,早期の着工が困難な状況となっており,市民の皆様には大変ご不便をおかけいたしているところでございます。
 このような状況に鑑み,新年度におきましては,現在の市民ホールの再開も視野に,舞台照明設備等の改修や天井の耐震対策,地下水の浸水防止対策等について,改修工事の方法や期間,費用等の調査を実施するとともに,引き続き,本市の将来のまちづくり全体を見据えながら総合的に検討を進めてまいります。
 
 第4点は, 人権・同和教育の推進であります。
 日常生活において,人権尊重の意識が児童・生徒の行動や態度に自然と表れるような「人権感覚」を養うための啓発活動と教育活動の推進に努めるとともに,学習機会の充実と参加体験型の学習プログラムの研究および普及に努めてまいります。
 「人権・同和教育は人間教育の原点である」との認識のもと,部落差別解消推進法,障がい者差別解消法,ヘイトスピーチ解消法,また,性の多様性等について,理解を深める教職員研修の充実を図り,人権・同和教育に関する指導者の育成に努めてまいります。

 第5点は, 国際交流の推進であります。
 昨年は米国サウサリート市との姉妹都市提携30周年という節目の年を迎え,相互訪問など各種記念行事の実施により,さらなる友好親善と相互理解が図られたところであり,今後とも市民レベルでの交流の機会を創出し,両市の絆をより一層深めてまいります。
 坂出市国際交流協会においては,従来の異文化理解イベントや国際理解講座等に加え,昨今の在住外国人の急増に鑑み,日本語教室や在住外国人イベントの開催,生活ガイドブック等による情報提供などについて,より一層の充実に努めることとしており,本市といたしましても,引き続き市民参加による国際交流事業を支援してまいります。
 また,ハンガリーカヌーチームの事前合宿決定を受け,先月には,東京オリンピック・パラリンピックのホストタウン事業の一環として,坂出市カヌー協会の会員を対象としたハンガリー料理に関する文化学習講座を開催いたしました。さらに,関連事業といたしまして,坂出市国際交流協会主催の国際理解講座においても,昨年11月にハンガリー刺繍に関する講座を実施したほか,来月にはハンガリー出身の講師等を招き,ハンガリーの料理や文化等を学ぶ講座を実施する予定としており,事前合宿決定を契機としたこれらの取組を通して,市民の皆様の機運の醸成を図るとともに,地域の国際化や多文化共生社会の実現に努めてまいります。


 第5の目標は, ~ 快適な都市環境を実感できるまちづくり ~ 【快適・憩い】
であります。

 その第1点は, 都市基盤の整備であります。
 坂出北インターチェンジのフルインター化については,物流や緊急輸送機能の強化を図るため,2024年度中の供用開始を目指し,現地での調査や設計を実施しているところであります。引き続き,本州四国連絡高速道路株式会社と協力して,早期の供用開始に向けた整備を進めるとともに,その効果を最大限発揮できるよう,市内主要道路についても整備の進捗を図ってまいります。
 本市における南北交通の広域幹線道路である県道富士見町線については,既に整備が完了しているJR予讃線以南の南側区間に引き続き,県道高松善通寺線までの北側580mの整備が実施されているところであり,今後,市立病院へのアクセスが向上するとともに,災害時の輸送路が確保され防災力の強化が図られるなど,本市のまちづくりの基盤施設となるものと期待するところであります。
 JR坂出駅の北に位置する京町線の道路改良事業については,引き続き,北口駅前広場の拡張再整備を併せて実施することで,幹線道路と鉄道との交通結節機能の強化に加え,近隣商店街と一体となったにぎわいのある空間の創出につなげてまいります。
 福江松山線については,県道富士見町線から南部公民館までの西工区について,道路の拡幅および歩道の整備が完了いたしており,引き続き市道福江線までの東工区の整備を進め,円滑な交通および通行者の安全確保を図ってまいります。
 安全・安心で快適な市民生活を支える根幹的な社会資本である市道や生活道路については,着実に整備を進めるとともに,外部委託による道路パトロールの実施など維持管理に努め,既存ストックの有効活用を図ってまいります。また,橋梁長寿命化修繕計画に基づき,計画的に橋梁修繕事業を実施するとともに,綾川に架かる城山橋については,引き続き,県が実施する綾川河川改修事業における架替工事に併せて拡幅整備を実施してまいります。
 港湾の整備については,引き続き,中央ふ頭2号岸壁および浮き桟橋の改良工事を実施するとともに,新年度より,林田D号岸壁の改良に着手し,施設の安全性の確保および延命化を図ってまいります。

 第2点は, 都市環境の整備であります。
 坂出緩衝緑地については,木々に囲まれた遊歩道や休憩スペースを有しており,散歩やランニング,また,憩いの場として,多くの市民の皆様に利用されているところでございます。新年度は,緑を生かした自由に利用できる芝生広場や移動販売車が出店できるエリアなど,緩衝緑地の魅力をさらに高め,幅広い年代の方が集い,交流できる場となるよう,設置者である県と協議しながら,新たなにぎわい創出につながる環境整備に努めてまいります。
 空き家対策については,第一義的には所有者等が自らの責任により適切に管理するという大前提のもと,坂出市空家等対策計画に基づき,市民の皆様,自治会,各種関係団体など,多様な主体と連携しながら,倒壊の危険性が高い空き家の除去を促進するなど,各種空家等対策に取り組んでいるところであります。また,冒頭で申し述べました神戸芸術工科大学アートプロジェクト2019においては,空き家を活用したアート展示を行うこととしておりますが,これは本市における空家等の新たな活用事例となるものでもあり,新年度は,老朽度や危険度が低い空き家の有効活用促進策など,空家等の利活用についても推進してまいります。


 第6の目標は, ~ 元気とにぎわいのあるまちづくり ~ 【魅力・活気】
であります。

 その第1点は, 移住・定住の促進であります。
 新婚世帯家賃補助制度の継続実施に加え,新年度より,県外からの移住者を対象とした移住促進家賃等補助制度を新たに開始するなど,引き続き本市への移住・定住の促進に努めるとともに,就職フェアや企業訪問バスツアー等を通してUJIターン就職を促進してまいります。
 さらに,近年の就職活動は学生有利の売り手市場と言われ,特に中小企業・小規模企業が深刻な人手不足に直面している状況に鑑み,新たに就職説明会等出展支援事業費補助制度を開始し,市内の中小企業・小規模企業が就職説明会等に出展する経費を補助することで,地元企業の人材確保や定住につながる雇用対策に取り組んでまいります。
 
 第2点は, 農林水産業の振興であります。
 本年度,米の生産調整,いわゆる減反政策が廃止となり,本年1月には,農業者の収入減少を補償する収入保険制度が導入されるなど,国において農政改革の動きが加速する中,新たな制度にも的確に対応しつつ,JA香川県が重点品目として作付拡大を強力に推進している三金時・レタス・ブロッコリー等について,引き続き,機械・施設等の整備や優良種苗導入に対する助成等を実施し,高品質・高付加価値化を図ってまいります。また,急増しているイノシシ等による農作物被害の防止対策についても,関係団体と連携し,取組を強化してまいります。
 水産業については,重要稚仔(ちご)放流事業やあわび養殖事業に対する支援など,資源管理型漁業を推進するとともに,西浦漁港における物揚場の更新など,漁港施設の適切な維持管理に努め,漁業経営の安定と向上を図ってまいります。

 第3点は, 商工業・サービス業の振興であります。
 坂出商工会議所や商店街振興組合,その他関係機関との連携により,市内の中小企業・小規模企業が地域で精力的に経営を継続できる体制の構築を検討するとともに,引き続き,商店街の魅力が向上するイベントや商店街活性化に向けた活動等を支援してまいります。
 ふるさと坂出応援寄付(ふるさと納税)については,クレジット決済の導入や返礼品の充実等に取り組んだ結果,12月末時点で寄付金額が初めて1億円を超え,着実に成果を挙げております。なお,当該制度については,他の自治体においても寄付金額の増額に向け様々な施策が展開されており,多額の寄付を集める自治体もある一方,地場産品以外や返戻割合が高い返礼品の送付など,過度な自治体間競争が全国的に問題となっております。本市といたしましては,引き続き制度本来の趣旨に即して,他の自治体にはない魅力ある返礼品の充実を図るとともに,さらなるPRに努めるなど,より多くの方から応援をいただける方策に取り組んでまいります。
 企業誘致については,平成23年の企業誘致条例の全面改正以降,企業立地促進助成金の交付に関連する新規常用雇用者数が累計300名を超えました。さらに,番の州臨海工業団地においては,昨年,株式会社ムロオの立地が決定したほか,11月にライオンケミカル株式会社の歯ブラシの新工場が完成・稼働したのに引き続き,12月にはライオン株式会社が新たなハミガキ工場の建設について,本年中の着工,2021年中の稼働を予定していることが発表され,本市経済の発展や雇用機会の拡大に大きく寄与するものと期待するところであります。引き続き,坂出北インターチェンジのフルインター化を見据え,陸海交通の要衝である本市の地理的優位性を生かし,県をはじめ関係機関との連携を図りながら,さらなる企業誘致に取り組んでまいります。

 第4点は, 観光の振興であります。
 本市では,「古のロマンのまち さかいで」をテーマに掲げ,本市に縁のある6人の歴史的偉人を主軸とした,歴史的・文化的資産を生かしたまちあるき事業等を実施し,好評を得ているところでございます。本年7月で100回目という節目の開催を迎える「さかいで楽市楽座」につきましても,地元の商店からの出店だけでなく,様々な特技を有するパフォーマーの方々にステージを盛り上げていただいており,本市の新たな魅力・にぎわいの一つとなっております。
 新年度は,これら従来の取組に加え,鼓岡神社において,6人の歴史的偉人のうちの2人,崇徳上皇と西行法師が登場人物となる本市に縁のある能「松山天狗」の公演を実施するなど,引き続き,本市の豊かな歴史や文化を背景として,市民の皆様に郷土愛を再認識していただくとともに,市民共働によるにぎわい創出に取り組んでまいります。
 また,本年は,瀬戸内国際芸術祭2019の開催に加え,海外の著名なメディアにおいて,2019年に行くべき場所として日本で唯一「瀬戸内の島々」が選出されるなど,今,「瀬戸内」が,かつてないほど世界的に注目されております。坂出市観光協会におけるホームページやSNS等を活用した情報発信,また,さぬき瀬戸大橋広域観光協議会における観光 キャラバンの実施や海外への情報発信に加え,瀬戸内国際芸術祭に向けたワークショップの開催等を通じ,交流人口の拡大,さらには,市外からまちづくりを応援していただける関係人口の拡充に努めてまいります。
 

 以上,私の市政に臨む施策の大綱を申し述べました。
 国が掲げる地方創生の旗印に呼応するように,施策における都市間競争はより一層激しさを増しておりますが,冒頭で申し述べましたとおり,例年になく厳しい財政状況の中にあって,将来に多大な負担を残さないよう,財政規律を堅持していくには,限られた財源の重点的かつ効率的な配分が求められ,実施できる施策にも自ずと限界が生じてまいります。
 本市にとりまして大変厳しい状況下ではございますが,「健幸のまちづくり」をはじめとした,本市の実情に応じた取組を着実に継続することで,人々が夢と希望を抱きながら平成の時代を迎えたように,来るべき新たな時代に,市民の皆様が,本市の未来に夢と希望を抱き,そして,「ふるさと坂出」に住んでいてよかったと心から実感できるよう,「働きたい 住みたい 子育てしたい 共働のまち さかいで」の実現に向け,揺るぎない決意で邁進してまいる所存でございます。
 何とぞ,皆様方のご理解とご協力,ご支援を賜りますよう心からお願い申し上げる次第であります。