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「障がい」の表記について

印刷用ページを表示する更新日:2010年3月31日更新

 坂出市では、ノーマライゼーションの理念を推進する観点から平成22年4月より順次、公文書等における「障害」の表記を、「障がい」と一部ひらがな表記に改めています。

坂出市「障がい」ひらがな表記取扱指針

1.背景

 人の状態を表す「障害」の「害」の字は,「害悪」「公害」等負のイメージが強く,別の言葉で表現すべきとの意見があり,「障害」という用語自体を変えるべきとの意見もありますが,現在これに変わる一般的な言葉がないのが実情です。そのため「障害」の「害」の字をひらがな表記にした「障がい」に変更することによって,否定的なマイナスイメージを和らげようとする動きが全国の地方自治体に広がっています。
 なお,漢字使用の制限を受けない公的機関以外では,「障害」の元々の表記である「障碍」や,すべてひらがな書きした「しょうがい」,また「チャレンジド」などの新たな用語を使用する動きもあります

 一方,国においては2009(平成21)年12月8日に「障がい者制度改革推進本部」が設置され,障害当事者が参画して今後の障害者制度の抜本的改革と同時に「障害」の表記のあり方についても検討される予定ですが,意志決定後,法律等の改正までにはまだ数年間を要する見込みです。

2.障害表記の経緯

「障害」の表記について歴史的にみると,戦前は「障碍」・「障礙」(「碍」は俗字・「礙」が正字)と「障害」が併用されていましたが,1946(昭和21)年当用漢字表の制定に際して「碍」と「礙」の字が採用されず,続いて1956(昭和31)年に国語審議会が「同音の漢字による書きかえ」を決定し,「障碍(礙)」→「障害」への書き換えが公文書において徹底されることになりました。その後,1981(昭和56)年制定の常用漢字表においても「碍(礙)」は採用されずこの措置が継続されたため,漢字の語源的に考えてもマイナスイメージのある「障害」表記が一般化したものです。

※「害」には「傷つける,じゃまする,損なう,災い」の意味があり, 「碍(礙)」は,「大きな石を前に人が思案し悩んでいる状態」を意味します。

3.「障がい」表記の目的

(1)国において「障害」の表記の見直しが決定されるまでの経過的措置として,「害」という漢字の否定的なイメージを考慮し,障がい者の人権をより尊重するという観点から「害」のひらがな表記を行います。

(2)表記の問題は障がい者施策において本質的なことではない,という議論もありますが,違和感や不快感をもつ人が少しでもいる限り,その気持ちを尊重して改めます。

(3)ひらがな表記への変更により,ただちにノーマライゼーションの理念が浸透するわけではありませんが,啓発的観点から共生社会の実現に向け,市民の意識醸成にもつながることが期待できます。

4.「障がい」表記の実施

[(1)実施内容]

  1.  本市が作成する公文書,啓発資料,ホームページ等において,従来「障害」と表記していたものについて,人の状態をあらわす場合は原則として「障がい」と表記します。
    ・「障害」→「障がい」
    ・「障害者」→「障がいのある方(人)」 または「障がい者」
    ※ ピープルファースト(障害者である前に人間である)の理念からも「障害者」という“ひとくくり”の呼び方は不適切であるという意見があります。
  2.  本市の施設・組織名称等の固有名詞については,すべて「障がい」表記に更新します。
  3.  本市が設置した看板,標識,案内掲示等の設置物や掲示物等はすべて「障がい」表記に更新します。
  4. 法令,条例,規則,要綱等(以下「法令等」という。)に使用している「障害」の表記そのものについては適用除外としますが,当該法令等の趣旨及び内容に変更を及ぼさない範囲内において,一般的な文書等に使用する場合は「障がい」と表記することができるものとします。
    (条例,規則,要綱等においては,法令等からの引用が多く,改正を行ったとしても「障害」「障がい」表記が混在することになり市民が理解しにくいことが考えられます。また,今後国で検討される表記見直しの推移を見守る必要があるため。)
  5. 市民,関係機関,団体等に対し,本市が使用する「障がい」表記について理解を求めますが,それぞれの表記使用については,自主的判断に委ねるものとします。

※ 上記の基準に従えば,一般的な文書等においては,本市の機関以外の固有名詞を除き,「障がい」表記が可能となります。

[(2)実施上の留意点等]

1. 本指針の実施日は,平成22年4月1日とします。ただし,実施日前に本指針により,「障がい」表記にすることができるものについては,この限りではありません。

2. 本指針は,誤りを正すという趣旨のものではなく,障がいへの理解を促す啓発を趣旨としていることから,実施日に表記変更が困難なものについては,条件が整い次第,表記を更新することとします。

3. 実施日以降に配布する印刷物等において,既に印刷が終わっているものについては,刷り直しをせずに使用し,改正時や増刷時に表記を更新します。ただし,ホームページ上の表記については,できるかぎり速やかに表記変更を実施します。

5.その他

「障がい」表記見直しの具体的な事例は,下記のとおり

「障がい」ひらがな表記見直しの具体例

種別表記変更表記変更の対象又は対象外の理由
条例,規則,要綱,予算書等対象外・条文中に法令等の引用もあり,改正したとしても現時点では法律等で使用している「障害」と条文中の「障がい」表記の混在が避けられず,市民が理解しづらいため。
・今後,国において表記の見直しが検討されており,法律の改正を待って条例等の改正を行うべきである。
国の法令,条例,規則,要綱,予算書等の引用対象・当該法令等の趣旨及び内容に変更を及ぼさない範囲内において,一般的な文書等に使用する場合は「障がい」と表記することができるものとする。

(例)・障害者自立支援法→障がい者自立支援法
  ・身体障害者手帳→身体障がい者手帳

公文書対象・市民に対する通知,案内文などのほか,内部文書も含む。
・既存の計画書等の表記については,今後改定を行う際に,合わせて表記変更する。
市広報誌・広報資料対象・すべて
啓発資料対象・すべて
会議資料等対象・すべて
ホームページ対象・すべて

適用除外の項目

上記の対象文書においても,次の項目は適用除外とします。

項目適用除外の理由
本市以外の関係団体・施設名などの固有名詞・関係団体名,国・県・他市町村・団体が所有する施設の名称は固有名詞であり,それぞれの主体的判断に任せるため
(例)「国立障害者リハビリテーションセンター」「香川県障害福祉相談所」「香川県身体障害者協会」など
人や人の状態を表さないもの・障がい者等に関するものではなく,影響がないため
(例)障害物,通行の障害,業務遂行上の障害など
その他適当でないもの・医学用語,学術用語等の専門用語や,想定できないものもあり得るため