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白峯天狗伝説 相模坊と寺小僧

印刷用ページを表示する更新日:1998年11月13日更新
相模坊と寺小僧 むかし昔,白峯のお山に「相模坊」という天狗が住んでいた。
ある夕方のことである。
このお山の白峯寺に突然一人の客人が訪ねてきた。
何さま村里はなれた奥深い山寺のことである。
不時の客をもてなす用意はない。
困った和尚さんが小僧を呼んで,「ふもとの高屋村まで行って木綿豆腐を買っておいで・・・」と言いつけた。
ふもとの村までは胸つき八丁のつづら坂である。
日はとっぷりと暮れている。
おまけに道は遠い。
小僧はこわごわ山を下りていった。

  すると,突然暗がりの空から大きな羽音がしたかと思うと,何やらフワリと背なかに負われたような,何とも不思議な気持に襲われた。
それもそのはず,小僧はいつのまにか天狗の背中に乗せられ,見も知らぬ天空を飛んでいたのである。
こうして風の音,波の音を聞きながら,何処へともない天狗との二人旅がつづいた。

 と言えば,この旅は何時間も,何日ものように聞こえるが,実はそうではない。
ほんの一瞬の出来事だったのである。
小僧はやがて白峯寺の門前に降ろされた。
パサッという音とともにフト気がついてみると,いつのまにやら手にはしっかりと豆腐が持たされていた。
 今しがた使いに出たばかりの小僧が,アッという間に豆腐を片手に戻ってきたのだから,寺は大さわぎとなった。
小僧に訳を聞いてもウヤムヤ言うばかり。
ところが,こんな騒ぎを奥で聞いていた客人が,その豆腐を見て「この豆腐は,この辺りで作っている豆腐ではない。
これは京の町にしか売っていない絹ごし豆腐ぢゃ・・・・」
と驚いた。

 この話はここまでである。
夕方おそく,はるばる豆腐を買いにやらされた小僧さんを可哀想だと思った相模坊天狗が,何とか助けてやろうと小僧に贈った,温かい贈り物だったのである。