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たからくらべ

印刷用ページを表示する更新日:1998年10月23日更新
宝物イラストむかしむかし,城山長者が娘を車に乗せて車道(くるまみち)を毎日散歩していた頃,向かいの金山に金山長者という,それはそれは大金持ちの長者が住んでいました。
「今日も城山にたくさんの人が登っとるが,何かあるのか。」
「城山長者の乙姫様を見に行っておるんじゃ。」
「かわいい娘だそうだの。」
 乙姫様のうわさ話を聞いた金山長者は,うらやましくなりました。
「わしには娘もいない。なんとかして村人も目をわしの方へ向ける方法はないものか。」
 「そうだ。わしには金銀や珍しい宝物が山ほどある。これで宝くらべをしよう。」
 城山長者に手紙を出して,宝くらべを申し込みました。
 金山長者はさっそく,たくさんのお金をかけて,立派な車を作らせました。
 そして,金銀に宝石をちりばめた置物や,南海の底にある大きなサンゴ,美しい綾・錦,この世にあるといわれる宝物を山と積み上げました。
 男衆に牽かせて,城山へ宝くらべに出かけました。
 村人も大勢集まりました。
 今まで一度も見たこともない宝物に,村人は目を見張りましたが,そこへ車に姫を乗せた城山長者がおりてきました。
 そして,城山長者が「わしの宝はこの娘だ。」と言うと,村人達は,「人の持っとる宝物は目の毒だ。」乙姫を見る村人
「美しい乙姫様がいい。やさしい長者さんやお姫様を見てると,わしの気持ちまでようなるわ。」と言って,我も我もと,乙姫様のそばへ集まってしまいました。
 金山長者の宝物は,誰も見る者が居なくなりました。
 親子の愛情の深さと,姫の美しさの前には,金山長者の宝物は,まったく値打ちがありませんでした。
 たからくらべは,金山長者の負けになりました。
「村人の目さえ引きつけないこんな物ほーってしまえ」
 悔しがっった金山長者は,金山の海へ宝物を投げ捨ててしまいました。
 それから後,金山の海で捕れる鯛は,うろこに金がふき,キラキラと輝き,味も大変よく,人々から喜れ,【金山鯛】として有名になりました。