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さがんぼうのてんぐ

印刷用ページを表示する更新日:2002年5月13日更新
むかし,京のみやこに 西行法師という お坊さんが住んで いました。「ふる里天狗草紙」のさし絵
 ある日のこと,坂出の 松山の みなとに やってきました。
「すとく じょうこうさまの おはかのある ところを 知りませんか。」と,たずねました。
 ところが,だれ ひとり 知りません。
 法師は,困ってしまい 帰ろうとしました。
 そのとき,ひとりの しらがの おじいさんが あらわれ,「これ,これ。 お坊さん,どこへ 行かれますのじゃ。」
と,きかれました。
「すとく じょうこうさまの おはかへ おまいりしたいと 思って やって きました。」
というと 「それじゃ わしに ついて きなさい。」というので,法師は,おじいさんの あとに ついていきました。
「おぼうさん,じょうこうさまの おはかは この うえです。」
「はい,どうも ありがとう ございます。」といって,法師は,心から お礼をいいました。
 あたまを あげると,もう おじいさんの すがたは,見えません。
 法師は,ひとりで おまいりを すませました。
 そのとき,「むかしは,たまのような ゆかに おすみになって いましたが,いまは それも ありません。 どうか あきらめてください。」といいました。
法師は,じょうこうさまの おはかの そばに ちいさな いえを たてて すみました。

 あるよ,ゆめをみました。
「わしは,さがんぼうの てんぐじゃ。 じょうこうさまを わしが おまもり するよ。」
そう いったのは,あの しらがの おじいさんでした。
 あくる日から 法師は,仏さまを 三つ つくって,じょうこうさまを おまもりして もらうことに しました。
 一つは,じょうこうさまのおはかに,もう 一つは,さがんぼうに おまつりしました。
 いまも ちかくの ひとたちが おまいりを つづけています。