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bunbun3.「遺跡を守れ!古墳にアレをかける」をレポート!

印刷用ページを表示する更新日:2015年12月2日更新

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  「ぶんぶんレポ」とは


 6月3日、四国地方の梅雨入りが発表されました。
 香川県にいるとなかなか梅雨らしい梅雨に出会いませんが、それでもいつもよりは雨を意識してしまいます。

 この梅雨入りに先立つこと4日、5月30日に坂出の加茂にある古墳で、とある作業が行われました。


 その古墳のひとつが「穴薬師(あなやくし)古墳」

穴薬師古墳

 中にはお薬師さんがお祀りされており、名前の由来となっています。

 穴薬師

 市内でも最大級の石室ですので、中はけっこう広いんですよー。

 また、昔々この地に渡来したという「綾織姫(あやおりひめ)」のお墓であるという伝承から「綾織塚」という名でも呼ばれています。


 もうひとつが「サギノクチ古墳群1号墳」

サギノクチ古墳

 鷺の口(さぎのくち)というのは単純にこの辺りの地名ですが、この古墳には大きな特徴があります。

 なんと石室の中に絵が描かれているんです!

線刻画
※葉っぱ・・・だと言われています。

 もちろん古墳時代の人が描いたものですよ。
 (中にはそうではないものもあったりするんですが・・・)

 線のみで描かれているので「線刻画(せんこくが)」といいますが、ここには「木の葉」っぽい線刻画が多いので、「木の葉塚(このはづか)」という別名で呼ばれています。
 地元ではこちらの方が通りが良いみたいです。


 どちらも今から1400年くらい前、6世紀末から7世紀初め頃に造られたものと見られています。

 そしてどちらも坂出市の史跡に指定されているという貴重な古墳なのですが、実は二基とも重大な問題を抱えていました。


 それは・・・ 【  雨  漏  り ! 】


 最初に梅雨のお話をした理由が分かっていただけたでしょうか。

 木の葉塚なんてひどい時にはこの有様です。

サギノクチ帯水
※もはやプールです。

 これは大変な問題です。石室の中に水が溜まるということは、石室を構成する石組の間を水が抜けているということ。
 そして水が抜ける際に、石組の間の土をも奪っていってしまうのです。

 実際木の葉塚では、抜けた土が山のようになっていました。

サギノクチ土たまり
※右下の方、色が濃いのが石室から抜けてきた土の山です。

 石組の間の土が多量に抜けてしまうと、石室のバランスが崩れてしまう可能性があります。
 そういう状態が続くと、地震などをきっかけとして小さな石が落ちてしまったり、最悪の場合には石室全体が潰れてしまうかもしれません。

 古墳の中には、こうして倒壊してしまっているものも見られます。


 そこでこの性質の悪い雨漏りを防ぐため、できる範囲(技術面でも、そして金銭面でも)で対策工事をすることにしました。


 まず古墳の上に生えている大小の木をバッサリと伐りました。(これは昨年に行いました)

 これは木が雨水を集めてしまうことを防ぐためのものです。
 ただし大きな木が枯れてしまうと根っこの部分が腐り、ゆくゆくは大きな空洞ができてしまうため、大木は生かしながら小まめな剪定を行っていくことにしました。

芽吹き ※今も盛んに芽が吹いています。

 こうしてさっぱりした古墳の上に、今度は防水シートを被せます。これで直接降り注ぐ雨から保護するのです。

 この作業が冒頭で触れた「とある作業」なのです。


 シートを被せる前に、古墳の上の草木をていねいに刈り取ります。(以降の写真は木の葉塚のものです。)

 草刈り前 before ⇒ after 草刈り後

 ところで写真に映りこんでいる麦わら帽の方々ですが、当市の職員でも業者の方でもありません。

 この方達は平成22年に結成された『山樋(やまひ)史跡保存会』のみなさんで、この地域の文化財を守る活動に実に精力的に取り組んでくれています。

 今回のシート掛けでも9人の方にお手伝いいただきましたが、そもそもこの古墳の防水対策自体、保存会の方々の日常的な観察と、現実的な提案があったからこそ実現できたようなものです。

 遺跡はただそこにあるだけで人々の役に立つというものではありません。地域に愛されてこそ後の世まで継承されていき、その価値を発揮できるものだと思いますので、こうした保護活動は本当にありがたいものです。


 作業の話に戻りますが、古墳の上に防水シートを被せます。

防水シート

 今回使用したものはトラックの荷台に被せるシートの生地としてよく使用されるもので、約0.6mの厚さがあります。

 古墳に利用するシートには、さらに薄くて温湿度も一定に保てるような高性能の専用品もあるのですが、もちろんそれはそれは高価なものになります。
 今回の二つの古墳はそもそも常時出入り口が開いているものですし、その辺りを考慮する必要はあまりないと考え、
簡単に手に入り比較的安価なこのシートを使うことにしました。

 とはいえそれなりにお金も掛かっているものなので、なるべく長持ちさせるため、さらに上にブルーシートを被せます。

ブルーシート
※重しとして昨年度伐採した木を置いています。

 こうして一応の防水対策が完了しました。

 見た目としては少し悪くなってしまいましたが、古墳そのものが潰れてしまうよりはいいと思います。


 今後は雨漏りの様子を見ながら、ブルーシートがボロボロになったら取り替えつつ、見た目を良くする方法も考えていければと思っています。
 (これは!というアイデアがありましたら、提案をお待ちしております。m(_ _)m)


 ※今回作業を行った二つの古墳を見学したい、という方は文化振興課までご連絡ください。少しだけ分かりにくい場所にあるのと、周辺には他にも遺跡が点在していますので、詳しい行き方のご案内や地図、資料の提供などをさせていただきます。

 ※場所についてはこちらもご参照ください

                                   (担当 文化財係)