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特集担当おすすめ本

コスモス
印刷用ページを表示する 掲載日:2018年6月5日更新

6・7月の特集  『はじめての社会学』

 今回は,社会学の特集です。
 中でも,特におすすめの1冊は…

6・7月 はじめての社会学

 

『セカイの空がみえるまち』 工藤純子/著 講談社

 『恋する和パティシエール』シリーズで女子に人気の工藤純子さんのティーンズ向け物語です。
 主人公は中学2年生の女の子・藤崎空良。父親の突然の失踪により,仲良しだと思っていた友人との間に距離を感じています。部活が休みでやることもなかった空良は,山手線を1周していて新大久保で電車を降ります。コリアンタウンと呼ばれる町で目にしたのは,在日韓国人に嫌がらせをする日本人の姿。

 一方,もう一人の主人公は同じクラスの高杉翔。韓国,中国,台湾などの多国籍な人種の住む新大久保のアパートで生まれ育った翔は,野球の強い公立中学に進学したものの,年功序列のため実力が認められずもどかしい思いを抱えています。また,母親のいない翔は母親が誰かを知らず,自分の中に外国人の血が流れていると感じ,子どもの頃に目にしたヘイトスピーチの記憶に心を痛めています。

 正義感の強い二人は,ぶつかりあい反発と理解を繰り返し,少しずつ距離を縮めていきます。同時に,目をそらそうとしていた自分と自分の家族の問題に正面から向き合えるように,ゆっくりと成長してゆく物語でもあります。

 大人は子どもに「人の悪口を言ってはいけません」と言います。それなのに拡声器を持ち,差別的な言葉を浴びせる大人たち。正しいはずの大人の間違った姿を見て,矛盾や憤りを感じている人もいるのではないでしょうか。世の中の矛盾に気づいた時,自分の気持ちとどのように折り合いをつければいいのだろうか,そんな悩みのヒントがみつかるかもしれません。

 他にも,特集コーナーにはノンフィクションも含め,広い世界を知るきっかけとなる本を集めました。