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坂出市立病院 > 泌尿器科

泌尿器科

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年4月1日更新

泌尿器科について

泌尿器科は尿路(腎臓、尿管、膀胱、尿道)と男性生殖器(前立腺、精巣、陰茎)の病気に体する診療・治療を行っています。また、副腎や後腹膜から発生する腫瘍も泌尿器科の疾患です。

 主な病気としては、泌尿器がん(腎がん、腎盂・尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、精巣がん)、副腎腫瘍、腎・尿管結石、前立腺肥大症、尿路感染症(膀胱炎、腎盂炎)、尿失禁、女性骨盤臓器脱などがあります。

当院泌尿器科の特色

〇尿路結石

どんな病気?

尿路結石は尿の通り道に結石ができる病気で、結石のある場所によって「腎結石」「尿管結石」「膀胱結石」などと呼ばれます。男性では7人に1人が、女性では15人に1人が一生に1度は尿路結石を発症するといわれています。結石ができる原因として、食生活の欧米化が関係していると考えられています。この病気は再発しやすいため、予防が重要です。

 

どんな症状があるの?

尿管結石では腰から脇腹、下腹部にかけて痛みが出現します。多くの場合はとても強い痛みです。また、尿に血が混じることもあります。膀胱結石は下腹部の違和感やトイレが近い、尿が出にくいなどの症状があります。腎結石は無症状のことが多いです。

 

どんな治療をするの?

小さい結石であれば水分を十分にとって、尿と一緒に結石が流れ出るのを待ちます。結石が出ない場合や大きな結石の場合には、体外衝撃波による治療や内視鏡で結石を取り除く治療が必要になります。当院ではすべての結石治療を受けることが可能です。

 

再発の予防方法は?

約半数の患者さんは再発するといわれています。予防のためには水分を十分にとり、バランスのいい食事を心がけましょう。結石が出た場合には回収して成分を調べることで特殊な結石が見つかることがあります。

 

どんな手術があるの?

体外衝撃波結石破砕術(Eswl)、経尿道的結石破砕術(Tul)、経皮的腎結石破砕術(Pnl)は、いずれも尿路結石を治す手術です。結石のある位置や大きさ、成分などによって最適な治療が選ばれます。

Eswl(体外衝撃波結石破砕術)

10mm以下のレントゲンで写る尿管結石が適応になります。妊婦や将来妊娠の可能性のある若い女性の下部尿管結石は治療できません。

体外で発生させた衝撃波を結石の位置に集束させ結石を破砕する治療法で、結石を自排石可能なレベルまで破砕し、尿とともに排出させることにより結石を治療します。そのため大きい結石や硬い結石では複数回の治療が必要になることがあります。治療時間は約1時間の日帰り手術です。

 

Tul(経尿道的結石破砕術)

尿管結石と2cm未満の腎結石が適応になります。ペニスから挿入した尿管鏡を用いて直視下に結石をレーザーで破砕し、バスケット鉗子で結石を摘出します。全身麻酔の場合は2泊3日、腰椎麻酔の場合は1泊2日の入院で治療できます。

 

Pnl(経皮的腎結石破砕術)

2cm以上の腎結石が対象になります。全身麻酔で行います。背中に腎瘻と呼ばれる皮膚から腎盂につながるトンネルを作成します。腎瘻から腎盂鏡を挿入し、腎盂内の結石を直接観察しながら結石を破砕します。入院期間は約1週間です。

当院では、内視鏡による経尿道的結石破砕術(Tul)、経皮的腎結石破砕術(Pnl)と体外衝撃波結石破砕術(Eswl)による三位一体の尿路結石治療を積極的におこなっています。患者様の状況に合わせ、治療を可能な限り早くおこない、早期の社会復帰をめざしています。

 

尿路結石治療

Tul手順

Pnl手順

 写真提供:ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社

 

〇坂出市の前立腺がん検診について

坂出市では50歳以上の男性に対して血液検査(Psa検査)による前立腺がん検診を実施しています。当院ではPsaが4以上の方に対して二次検診を施行しております。外来で超音波検査、直腸診、MRI検査、phi(プロステートヘルスインデックス)検査をおこない、前立腺がんが疑われる方には前立腺生検(腰椎麻酔、1泊入院検査)をご提案しています。

MRI及びphi検査で異常がなく、治療が必要な前立腺癌の可能性が低い場合は、生検を行わず経過観察を選択することができます。

当院ではMRI検査でがんの疑われる場所がある場合、従来の系統的生検に追加して標的生検を行っています。その結果従来の方法と比べ前立腺癌の検出率が約5%向上しました(65%→70%)。

前立腺がんと診断された場合は、進行度に応じて監視療法、手術療法、放射線療法、内分泌療法を患者さまの希望に沿いながら治療をおこないます。

 

前立腺

 前立腺がん啓発推進実行委員会「ブルークローバー・キャンペーン」より提供

 

〇前立腺肥大症

尿が出にくい・回数が多いといった排尿に関する症状は様々な原因で起こります。中高年の男性では多くの場合、前立腺という臓器が腫大する「前立腺肥大症」が原因となっています。前立腺肥大症で自覚症状が強い場合は薬物療法をおこないます。薬物療法で症状の十分な改善がない場合や、尿閉、膀胱結石などを繰り返す場合は手術治療をおこないます。

 当院では2020年に新しい機器を導入し、尿道から内視鏡を挿入し、前立腺を尿道からレーザーでくりぬいて摘出する経尿道的レーザー前立腺核出術(Holep)を5泊6日で行っています。

 

前立腺肥大

Holep TURP

レーザー手順

 写真提供:ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社

 

〇血尿について

尿に血が混ざる状態には大きく2つあります。一つは、尿が赤くなる状態で、これを肉眼的血尿といいます。二つ目は色の変化はありませんが、健診などの尿検査で血が混ざっている(尿潜血)と指摘された場合で、これを顕微鏡的血尿といいます。

 どちらの場合でも、尿の通り道(尿路)に何らかの病気がある場合がありますので泌尿器科を受診してください。特に痛みのない肉眼的血尿の場合は膀胱癌の可能性が2-3割程度ありますので、血尿が現在止まっているとしても受診するようにしましょう。

 血尿で来院された場合は、尿検査(検尿、尿細胞診)、超音波検査などをおこないます。悪性が疑われるときは膀胱鏡や造影CT検査を追加でおこないます。

 膀胱癌が見つかった場合は、お腹は切らずに、内視鏡で腫瘍を取り除く経尿道的膀胱腫瘍切除術(Turbt)がおこなわれます。当院では腰椎麻酔を行い3泊4日で治療をおこなっています。 

2023年4月より光線力学診断補助下Turbtを4泊5日で開始しました。

 

〇尿失禁

尿失禁にはいくつかのタイプがあります。(1)咳やくしゃみなど腹圧がかかったときに漏れる腹圧性尿失禁、(2)おしっこに行きたくなるとトイレまで我慢ができず漏らしてしまう切迫性尿失禁、(3)尿がたまって出せないときにあふれて漏れる溢流性尿失禁、(4)高齢者や認知症患者さまで運動能力や認識能力が低下して漏らしてしまう機能性尿失禁などがあります。

 切迫性尿失禁に対しては薬物治療が主体となりますが、加えて2020年4月新しくよりボトックス膀胱壁内注入療法が保険治療として行えるようになり、当院でも日帰り手術で行っております。従来の薬物療法で十分な満足感が得られなかった患者様にも新しい治療選択肢を提供できる様になりました。腹圧性尿失禁に対しては骨盤底筋体操に加えて症状が強い場合には手術療法が選択されることがあります。原因がわかれば様々な治療法がありますので、まずはお気軽にご相談ください。 

 

〇女性泌尿器

 骨盤臓器脱は骨盤内の臓器である子宮や膀胱が膣から飛び出してくる病気です。骨盤内の臓器を支える骨盤底筋が、高齢・出産・肥満などで緩んでくることによって、支えられていた臓器が徐々に下がってきて発症します。当院では骨盤臓器脱に対して、最新のLsc手術(腹腔鏡下仙骨膣固定術)を行っています。

 

〇泌尿器がん

腎がんや腎盂・尿管がん、副腎腫瘍に対しては、患者さまの身体的負担の少ない腹腔鏡(後腹膜鏡)を用いた手術をおこなっています。当院では日本泌尿器内視鏡学会の泌尿器腹腔鏡技術認定資格を取得した医師が中心となって根治性と安全性を両立した手術をこころがけております。 

進行がんに対しては抗がん剤治療や分子標的療法、免疫チェックポイント阻害薬を用いた治療をおこなっています。外来化学療法室があるため、通院しながら治療することも可能です。

 

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診療予定表  [ 泌尿器科 ]

診療予定表
    月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日
午前

一診

林田 有史

林田 有史

林田 有史

(第1・2・4・5週)

紹介・新患

林田 有史

二診

本田 智子

本田 智子

阿部 陽平

(受付9~)

本田 智子

本田 智子

午後

一診

林田 有史

予約のみ

原田 怜

(受付14~)

二診

※ 診療予定表の「―」は休診です。

 

 医師紹介  [ 泌尿器科 ]

ten 林田 有史 ( はやしだ ゆうし)

役職 部長
専門  泌尿器科一般,泌尿器悪性腫瘍,腹腔鏡手術,尿路結石,前立腺肥大症
資格

医学博士

日本泌尿器科学会 専門医、指導医

日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 

日本泌尿器内視鏡学会 泌尿器腹腔鏡技術認定医

ロボット手術認定医

ten 本田 智子 ( ほんだ ともこ )

役職  医員
専門 泌尿器科一般、女性泌尿器
資格

日本泌尿器内視鏡学会 ロボット手術認定医

ten 阿部 陽平 (あべ ようへい )

役職  医員(非常勤)
専門 泌尿器科一般 、排尿障害、尿失禁
資格

日本泌尿器科学会 専門医

日本泌尿器内視鏡学会 ロボット手術認定医

ten 原田 怜 (はらだ さとし )

役職  医員(非常勤)
専門 泌尿器科一般 、女性泌尿器
資格 日本泌尿器内視鏡学会 ロボット手術認定医

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