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坂出市立病院 > 院長あいさつ

院長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年10月11日更新
  2017年度の挨拶

院長先生

坂出市立病院 院長

岡 田 節 雄

坂出市立病院は2014年12月1日、当地に新築移転し、はや3度目の春を迎えております。近代的な施設を有効活用し、市民の皆様により質の高い充実した医療の提供を目指して、現在進行形で努力致しております。急性期医療に主軸を置き、手術件数も旧病院時代の2倍以上と想像以上の増加を示しております。悪性疾患に対する治療の充実も図られ、化学療法認定看護師を常時配備した外来化学療法室での外来通院化学療法も充実し、抗癌剤治療件数も著しく増加傾向となっております。心臓カテーテル治療、消化器内科主体の内視鏡的治療、透析治療、血液疾患に対する治療、糖尿病を中心とした内分泌疾患の治療、肺癌や慢性呼吸器疾患に対する治療もそれぞれより充実傾向にあると感じております。更なるレベルアップを目指して職員一同奮闘してまいります。一方、依然医師不足から産科、脳神経外科の新規開設に至らず市民の皆様・近隣の医療機関の皆様には大変ご不便をお掛けしている事、心苦しく思っております。関連大学の香川大学に継続的な働きかけを行い、早期実現に向けて今後も努力致します。

さて、最近の医療界における専門医制度に関する話題を紹介致します。

専門医の多様性や質のばらつき、国民への分かり難さから、2013年厚生労働省が設置した「専門医のあり方に関する検討委員会」が議論を開始し、大学病院や都会の大病院が先導して考案された新専門医制度の実施が、1年先送りされました(2016年7月25日に制度の諸問題を検討・改善する為に、その開始を1年延期し2018年4月からと発表されました)。理由は地域での医師不足に拍車がかかる危険のある制度だという事が主要因です。現行の計画のままでは専攻医(卒後2年間の臨床研修終了後の3年目から5年目終了まで)の教育期間である3年間は症例の集まりやすい都市部に集中し、医師の偏在が更に助長され、地方の大学病院では、臨床研修医制度が始まった時と同じ轍を踏み、地域の中小規模病院から大学病院へ医師を引き上げ、地域医療の崩壊を助長する事が予測されます。そもそも新専門医制度では、専門医を「それぞれの診療領域における適切な教育を受けて十分な知識・経験を持ち、患者から信頼される標準的な医療を提供できる医師」と定義しています。「標準的な医療を提供できる医師」を育成する為に、専攻医を都会の大病院に集中させる必要は無く、地域の中小規模病院においても「患者から信頼される標準的な医療を提供できる医師」を育成する事は充分に可能と考えています。更に基本領域専門医取得後、その後のサブスペシャリティー領域専門医取得に向かうルートでは、少なくとも卒後10年近くは大病院勤務に集中する傾向が予測されます。地域医療を担う中小規模病院には上記医師の勤務は敬遠され、地域の医師不足に拍車がかかる制度と危惧しています。わずか1年の延期ですが、地域医療にも配慮した制度への転換がなされる事を願っています。

香川県全体において言える事ですが、高齢者の多い地域住民は、多くの疾患を同時に抱えており、総合的な診療を必要とすることも多く、“狭意味の専門医”のみでは一人の老人に3~4人の専門医が主治医と成らざるを得ない医療では全く現実味がなく、総合診療の重要性が再認識される事を願っております。香川県全体が地域ですので、社会が期待するspecialを目指しながら、all roundも会得した万能型総合診療医が数多く香川県の医療を支えて下さる事を願っております。現在坂出市立病院には各診療科に多くの専門医が在籍しておりますし、専門医を目指す新人医師も多く研修に来ております。豊かな人間性と正しい倫理観を兼ね備えた医師、ならびに医療人を育てる事も当院の使命と感じております。

当院に限らず最近の公立病院の使命は、医療の質と経営の質の両立が求められております。難問ではありますが坂出市立病院も経営と医療の質の両立を目指し、職員一同邁進致します。今後とも市民の皆様のご理解、ご協力をよろしくお願い致します。


  2017年4月   坂出市立病院 院長 岡田節雄

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